かゆみや症状で判断できる!? 蚊とダニの刺され方の違い
ウェザーニュース / 2020年9月29日 10時45分
イライラするかゆみの蚊やダニによる“虫刺され”。消えたかと思えばぶり返し、いつもの虫刺され薬が効かなかったり水ぶくれになることもあります。虫刺され研究の第一人者・兵庫医科大学皮膚科学准教授の夏秋優先生に、詳しく教えていただきます。
秋に刺されやすくなる蚊も!
蚊というと夏に刺されるというイメージが強いようですが、秋に刺されやすくなる種類もあるといいます。
「5月〜8月に多いのが、いわゆる“ヤブカ”。その代表種が白黒のまだら模様をしたヒトスジシマカで、昼間に庭や公園、山間などで刺されることが多いです。一方、室内で夜間に刺されることが多いのが、アカイエカです。涼しくなってくると室内に侵入し、成虫で越冬するので晩秋や春先などにも刺します」(夏秋先生)
人を刺すダニとは
一方、ダニの場合、屋内で刺される可能性があるのは、主にイエダニとツメダニだそうです。
「イエダニは、天井裏などにいるネズミの巣に生息して、本来ネズミを吸血するものです。これが通風口や換気扇などから寝室に侵入して人の皮膚から吸血することがあるのです。
ツメダニは、カーペットや布団などに生息するヒョウヒダニをエサとしているダニです。ツメダニのいるカーペットや布団などに人がのって触れたとき偶発的に刺します。ちなみに、ヒョウヒダニはアレルゲンとして問題となることはありますが、人は刺しません」(夏秋先生)
かゆみの違いで判断できる?
虫刺され跡をみて、蚊とダニを判断できるのでしょうか。
「一つひとつの皮膚症状から原因を判別するのはとても難しいです。かゆみのある発疹は、蚊もダニも両方とも刺したときに入る唾液の成分へのアレルギー反応であり、症状にはかなりの個人差があるからです。
このアレルギー反応には、『即時型反応』と『遅延型反応』があります。この2つは体内で起きているメカニズムが違い、即時型反応は刺された直後にかゆみを伴う赤い発疹が出て1〜2時間でおさまりますが、遅延型反応は刺された翌日以降に赤いしこりや水ぶくれが出て、かゆみが数日間ぶり返します。
即時型反応と遅延型反応のあらわれ方は年齢や体質によっても異なります。例えば、初めて蚊に刺された赤ちゃんは、かゆみや腫れが起きることはありません。何度か刺されるうちにまず遅延型反応があらわれるようになり、さらに刺され続けることで即時型反応もあらわれます。個人差がありますが、大人になると遅延型反応が弱くなり、やがて即時型反応のみになることが多いのです。
つまり、お母さんと小さな子どもが同じタイミングで刺されても、お母さんは即時型反応ですぐかゆくなり、子どもは翌々日に遅延型反応で赤いしこりができてかゆくなる、ということも起きるのです。遅延型反応は刺されてから症状が出るまでに時間があくので、原因がわかりにくくなります」(夏秋先生)
一方、ダニの場合は遅延型反応が多いようで、症状が出るまでかかる時間が、蚊かダニか判断する目安になるかもしれません。
「住宅環境の変化からダニに刺される機会が減っているので、即時型反応があらわれる人は比較的少ないようです。
また、それぞれ刺されやすい場所や時間帯、部位があるので、ある程度推測できます。蚊は顔や手足など露出している部位を刺すことが多いのに対し、イエダニは脇や太ももの内側、下腹部など、服に潜り込んで柔らかい部分を刺す性質があります」(夏秋先生)
刺された場合の対処法
何に刺されたかというよりも、即時型反応と遅延型反応で、対処が異なるといいます。
「即時型反応のかゆみや発疹は1〜2時間もすれば自然とおさまります。かゆみで掻いてしまうようなら、保冷剤で冷やしたり、市販の虫刺され薬を使ってもいいでしょう。虫刺され薬はLメントールなど清涼成分の入った一般的なものが効果的です。
遅延型反応の場合は、しこりや水ぶくれになり、かゆみが2〜3日ぶり返し、4日目くらいからおさまるのが特徴です。虫刺され薬は、ステロイドを含むものを選びます。ただ市販薬のステロイドは作用が弱めなので、腫れやかゆみがひどかったり、刺された数が多い場合は皮膚科を受診しましょう。
小さな子どもの場合は、まぶたを刺されて目が開けられないほど腫れたり、手のひら全体が腫れ上がるなど、強い反応になることもあります。注意したいのは、かゆみでかき壊してしまい、そこからばい菌が入ってトビヒなどになるケースです。飲み薬が必要なので、病院を受診してください」(夏秋先生)
かゆみなど虫刺されの症状は意外とストレスになるものです。正しい対処で、悪化させないようにしましょう。
この記事に関連するニュース
-
JAK阻害薬に機械的かゆみの即時的な治療効果があることを発見
PR TIMES / 2024年12月3日 17時15分
-
「まつ毛ダニだけじゃない!」そのニキビ、ダニのせいかも? “顔ダニ”トラブルを皮膚科専門医に聞いた
ORICON NEWS / 2024年11月25日 11時30分
-
たかがニキビで「救急搬送」女子大生を襲った悲劇 抗菌薬で生じた"アナフィラキシー"の顛末とは
東洋経済オンライン / 2024年11月17日 12時0分
-
「いつまで治療を続ける?」根治はしない「円形脱毛症」。病院では聞けない「患者の悩み」を専門医に聞いた【医師監修】
OTONA SALONE / 2024年11月14日 7時30分
-
<11月12日は「皮膚の日」>製薬会社サノフィが特設ページ「なりたい皮膚の相談室」を公開
PR TIMES / 2024年11月12日 12時35分
ランキング
-
1八王子で強盗、住人男性の頭を懐中電灯で複数回殴る…寝ていた男性が部屋を出て鉢合わせに
読売新聞 / 2024年12月7日 19時59分
-
2鹿児島でトラックと乗用車接触、子ども4人含む計6人搬送…9歳女児が頭に重いけが
読売新聞 / 2024年12月7日 18時40分
-
3「うそを重ねるのはやめて」田畑議員の無断・架空党員登録で被害を受けた企業の関係者
KNB北日本放送 / 2024年12月2日 21時33分
-
4女児刺殺は発生17年で検挙 未解決事件なぜ急展開 各地の警察が注力でも「初動が重要」
産経ニュース / 2024年12月7日 16時12分
-
5エアコン室外機の盗難急増、レアメタルや銅狙ったか…荒々しく切断された配管に「鉢合わせたらと思うとぞっとする」
読売新聞 / 2024年12月7日 14時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください