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「ヒイラギ」と「セイヨウヒイラギ」 クリスマスリースに使われるものは?

ウェザーニュース / 2020年11月6日 5時0分

ウェザーニュース

ヒイラギの花の香りが漂う時季になりました。「ヒイラギ」というと、何を思い浮かべるでしょうか。「ヒイラギって、クリスマスのときに飾るリースに使われるものでしょ」。そのように考える人もいるでしょう。

確かにヒイラギの葉は、クリスマス用のリース(輪飾り)にしばしば使われます。でも、ここで言うヒイラギは、クリスマスリースに使われるヒイラギとは似て非なるものです。ヒイラギとは、どんな植物なのでしょうか。

キンモクセイとヒイラギは同じ仲間

晩秋から初冬にかけて、キンモクセイに似た香りが漂うことがあります。この香りのもとは、ヒイラギである可能性が高いでしょう。というのも、ヒイラギとキンモクセイは同じモクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、この時季に咲くヒイラギの白い花がキンモクセイに似た甘い香りを放つからです。

ヒイラギやキンモクセイの仲間(モクセイ科モクセイ属)にはほかに、ギンモクセイやウスギモクセイもあって、いずれもキンモクセイに似た甘い香りを漂わせます。ただし、いずれもキンモクセイほど強い香りではありません。

漢字では、ヒイラギは「柊」「柊木」「疼木」、キンモクセイは「金木犀」、ギンモクセイは「銀木犀」、ウスギモクセイは「薄黄木犀」と書きます。

さらに「ヒイラギモクセイ」という常緑小高木もあって、これはヒイラギとギンモクセイの雑種と考えられています。

「クリスマスホーリー」とも呼ばれるセイヨウヒイラギ

では、クリスマスリースに使われるヒイラギはどんな植物でしょうか。正式名称は「セイヨウヒイラギ」で、「ホーリー」や「クリスマスホーリー」などとも呼ばれます。

セイヨウヒイラギはモチノキ科モチノキ属の常緑小高木で、深緑色の艶(つや)のある葉の縁には鋭いトゲがあります。淡黄色に咲く花に香りはほとんどなく、赤い実をつけます。

セイヨウヒイラギには、悪霊をはらうなどの言い伝えがあります。そのため、悪霊などがクリスマスの期間に悪いことをしないようにと、クリスマスリースとして使われるようになったと考えられています。

鋭いトゲが持ち味? どちらも魔除けとして活躍

一方のモクセイ科モクセイ属のヒイラギの葉にも、鋭いトゲがあります。そのトゲが邪気を払うと信じられ、かつては節分に、イワシの頭と一緒にヒイラギの小枝を軒下や門扉などに飾ることがよくありました。

ヒイラギとセイヨウヒイラギは似て非なるものではありますが、葉に鋭いトゲがあることや、悪霊や邪気を払うと信じられていたことを考えると、近い特徴も併せ持っているといえそうです。

まずはこの時季、キンモクセイに似た香りが漂っていないか、少し意識してみてはどうでしょうか。その香りのもとは、ヒイラギかもしれません。

そしてその後、赤い小さな実がなっていないか、気をつけて歩いてみてはどうでしょう。それはセイヨウヒイラギの実かもしれません。セイヨウヒイラギの実は、11月ごろに赤くなることが多いのです。

花や樹木を意識して歩いてみると、歩き慣れたいつもの道も、また違って見えてくるでしょう。

参考資料など

『花ごよみ花だより』(編者/八坂書房、八坂書房)、『美しい花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ』(著者/二宮考嗣、ナツメ社)、『想いを贈る 花言葉』(監修/国吉純、ナツメ社)、学校法人根津育英会武蔵学園「ヒイラギとヒイラギモクセイ(モクセイ科)」(https://www.musashigakuen.jp/gakuen/jumoku/zukan/hiiragi.html)、NHK出版「みんなの趣味の園芸」(https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-907)

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