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3月のいろいろな呼称 「弥生」以外にも桜にまつわるものなど

ウェザーニュース / 2024年3月1日 4時50分

ウェザーニュース

厳しい寒さの日が少なくなり、暖かさを感じられる日が多くなってきました。3月に入るとさらに春めいてきます。

そんな3月の和風月名は「弥生」がよく知られていて、その他にも3月の異称はたくさんあります。

『二十四節季と七十二候の季節手帖』などの著者で作家の山下景子さんに、弥生の由来とその他の3月の異称について伺いました。

なぜ「弥生」と呼ぶのか?

「“弥生”の語源は、“木草弥生月(きくさいやおいづき)”が縮まったといわれます。“弥(いや)”はますますという意味ですから、草木がますます生い茂る月ということです。

弥生の語源に関しての異説はほとんどありません。多くの人が納得できる説なのでしょう」

その他の3月の呼び名は?

旧暦の時代は、弥生以外にも3月の異称がたくさん使われていたそうです。その中からいくつかを選んで、山下さんに解説していただきました。

【禊月】(はらえづき・はらいづき・けいげつ)

古くは、3月3日の「上巳(じょうし)の節句」に禊(みそぎ)を行いました。

禊は、水で身を清め、罪やけがれをはらうことです。「禊」という漢字は、「はらう」とも読みます。

そこから、3月を「禊月(はらえづき・はらいづき・けいげつ)」と呼ぶようになりました。

この「上巳の節句」が、雛祭りの原型だといわれます。

【桃浪】(とうろう)

旧暦の3月は、桃の花の盛りの時期です。そこで、「桃浪(とうろう)」という異称もつきました。

桃は、ひとつの枝に、びっしりと花を咲かせます。その枝が幾重にも重なるように咲き誇る様子を、波にたとえたのでしょう。

「浪」は、大きな波をあらわす漢字。華やかな情景が目に浮かぶ月名です。

【竹秋】(ちくしゅう)

旧暦3月頃、竹の葉は、まるで秋の黄葉のように黄ばんできます。そこから、この時期を「竹秋(ちくしゅう)」と呼び、3月の異称としても使われるようになりました。

竹の葉が黄ばむのは、筍(たけのこ)を育てるために栄養をまわすから。

旧暦8月頃になると、青々と葉を繁らせ、「竹春(ちくしゅん)」と呼ばれます。

【花つ月】(はなつづき)

「花つ月」は、花の月という意味。この場合の「花」は、桜をさします。

旧暦3月は、いよいよ桜が咲き始める時期。ほかにも「桜月(さくらづき)」「花見月(はなみづき)」「花月(はなづき)」など、桜にちなんだ月名はたくさんあります。

桜の開花時期は年々早くなる傾向ですから、現代の3月にも当てはまりそうですね。

【夢見月】(ゆめみづき)

桜のことを「夢見草(ゆめみぐさ)」ともいいます。夢のようにはかなく散っていくことから、この名がつきました。

夢見草が咲くので、旧暦3月を「夢見月(ゆめみづき)」ともいいます。つまり夢見月も、桜にちなんだ異称というわけです。

今では、桜といっしょに夢を見る月と考えることもできるかもしれません。

【佳月】(かげつ)

「佳月(かげつ)」は、「嘉月」とも書きます。名月という意味でも使われますが、よい月という意味で、3月の異称にもなっています。

草木が茂り、桃や桜が咲き、春たけなわの旧暦3月は、まさしく佳月といえるでしょう。

ですが、生き物が動き始め、春の息吹が感じられる現在の3月も、よい月といえるのではないでしょうか。

【春惜月】(はるおしみづき)

旧暦では、1月から3月までが春ですから、3月は晩春にあたります。

過ぎ行く春を名残惜しく思う気持ちは、今も昔も変わりません。

旧暦の時代の人々が、3月を「春惜月(はるおしみづき)」と呼んだことからも、その心情がうかがえます。

現在の3月は、いよいよ春本番を迎える時期です。春を惜しむのはもう少し先。それまで、悔いのないよう、存分に春を満喫したいものですね。

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