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「シエスタ」で癒されよう。ギターとピアノで奏でる、優しいBGM 3選

Woman.excite / 2015年8月13日 12時0分

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© Dirima -Fotolia.com

夏本番。アクティブに動き回る休日も楽しいですが、時にはラテン諸国の人々のように、ゆったりとお昼寝を堪能してみませんか? 体力が回復するだけでなく、精神的にもリラックスできて、まるでヴァカンスをたっぷり満喫したかのよう。 たとえ30分でも1時間でも、シエスタはリフレッシュ効果抜群の美の泉です。

© Dirima -Fotolia.com


そんな時にぴったりの、静かで優しいBGMはいかが? 繊細で美しい音楽は、聴覚を通して全身を優しくマッサージするみたいに、さらに深く癒してくれるでしょう。それどころか、夢見心地の別世界へ連れて行ってくれるはず。お薦めのCDを3枚、ご紹介します。

古い修道院で録音された
清冽なギターとフルートが心身を浄化
▼「エル・パソ・デル・ティエンポ」
ギジェルモ・リソット+パブロ・ヒメネス

アルバムタイトルは、「過ぎゆくひととき」という意味。アルゼンチンのサンタフェ生まれで、現在はスペインのバルセロナに暮らし、世界各国で活躍するギタリスト、ギジェルモ・リソットが、フルートのパブロ・ヒメネスと共演したデュオ作品です。

17世紀に建てられたカタルーニャ地方の修道院で録音され、透明感のあるピュアな美しい響きが、文字通りゆったりと過ぎゆくひととき、最上のシエスタへと導いてくれます。 

「エル・パソ・デル・ティエンポ」ギジェルモ・リソット+パブロ・ヒメネス

「エル・パソ・デル・ティエンポ」ギジェルモ・リソット+パブロ・ヒメネス


7月、ジャパンツアーで来日したギジェルモに、コメントをお願いしました。

「この音源は本当に特別なんです。音の流れが醸し出すイメージに、中世の修道院の雰囲気がぴったり封じ込められているでしょう? 今回のツアー中も感じたのですが、日本の女性って、感受性豊かでとても繊細ですよね。

僕は、音楽はみんなが自由にオープンに聴いて感じればいいと思っているけど、このアルバムは、まさに繊細な日本女性にこそ深く理解してもらえると信じています。僕にとって、日本女性は実に愛すべき存在なのです」

ギジェルモ・リソット/1980年アルゼンチン、サンタフェ出身のギタリスト、作曲家、編曲家。2015ジャパンツアー中、サラヴァ東京でのライブにて。

ギジェルモ・リソット/1980年アルゼンチン、サンタフェ出身のギタリスト、作曲家、編曲家。
2015ジャパンツアー中、サラヴァ東京でのライブにて。


情熱的だけれど、気さくで優しいギジェ。彼の研ぎ澄まされた美意識と卓越したギターワークが冴え渡る、シエスタのみならず心を解き放ちたい時に聴きたい1枚です。

現代アルゼンチンのレジェンド
カルロス・アギーレのピアノは癒しの極致
▼「グルーポ」
カルロス・アギーレ

こんなにも自然で優しい音楽があるでしょうか? アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから遠く離れたエントレリオス州、パラナ河のほとりで音楽を作り続ける孤高のピアニスト、詩人、作曲家のカルロス・アギーレ。

アルゼンチンの伝統音楽、タンゴやフォルクローレの影響もさることながら、隣国のブラジル音楽、ジャズ、クラシックをも含むめくるめく世界観が、彼独特の血潮のぬくもりが伝わるピアノの根底に流れています。

一枚一枚、手描きの水彩画がついたジャケット。中央の絵が、四角く小窓の空いた厚紙の表紙に挟まれている凝った作りで、ぬくもりを感じる。

一枚一枚、手描きの水彩画がついたジャケット。中央の絵が、四角く小窓の空いた厚紙の表紙に挟まれている凝った作りで、ぬくもりを感じる。


いわゆる商業主義とは一線を画し、決して押しつけてこないけれど、その高雅な佇まいに身を任せたら最後、本物の響きゆえにもう後戻りはできない…そんな思いにかられるほど、絶対値的な美しさに満ちた音楽。

驚くことに、ジャケットの水彩画も一枚一枚手描き、と聞けば、彼の類稀な個性の片鱗がうかがえることでしょう。風景が次々に浮かび、自然と一体化した音楽にどこまでも癒されます。昼寝しちゃうのがもったいないくらい、極上のひとときを紡いでくれる名盤。10月のジャパンツアーも楽しみです。


世界観が果てしなく広がり
心地よさに溶けてしまいそう♪
▼「ダイアローグ」
藤本一馬

南米音楽、ジャズ、ヨーロッパの香り…このアルバムを聴いたなら、こなれた多彩さに日本人の作品とは思わないかもしれません。才気溢れるギタリスト、作曲家の藤本一馬さんは、様々な音楽分野を縦横無尽に飛び回ります。中でも、2ndアルバム「ダイアローグ」は、いつ聴いても至福の時を与えてくれ、シエスタで世界中を旅する夢が見られそう。

「ダイアローグ」藤本一馬

「ダイアローグ」藤本一馬


中島ノブユキさんを始め、様々な音楽家のツアーやサポートなどでも多忙な一馬さんに、インタビューをお願いしました。

藤本一馬/1979年、兵庫県宝塚市出身のギタリスト、作曲家、編曲家。ブラジルでは世界的なギタリスト、トニーニョ・オルタともレコーディング。ナガシマトモコとのデュオ、オレンジ・ペコーでも活躍。

藤本一馬/1979年、兵庫県宝塚市出身のギタリスト、作曲家、編曲家。ブラジルでは世界的なギタリスト、トニーニョ・オルタともレコーディング。ナガシマトモコとのデュオ、オレンジ・ペコーでも活躍。


―― 中島ノブユキさんが、ご自身の新譜「散りゆく花」のレコ発ライブで、「一馬さんのアフリカンなギターが衝撃的でした!」と言ってらしたのが印象的でした。パリっぽい印象の中島さんの曲にアフリカンなギター? どこまで多彩なんだろう、と。

「アリ・ファルカ・トゥーレみたいな感じに弾いてみてください、って言われたんです。砂漠のブルースマンと呼ばれた人ですけれど(笑)。アフリカのコラというハープみたいな楽器が好きだったり、民俗的なもの、プリミティブなものにはとても惹かれます」

―― 旅はお好きですか?

「好きですね。ブラジルに1ヶ月くらい、アマゾン河のロッジに滞在したり、オーストラリアのエアーズ・ロックやアリゾナのグランド・キャニオンに行ったり。アリゾナは、飛行機を降り立った瞬間、見たことのない光景が広がっていておもしろかった。大自然で、人の手つかずのところがいいんです。大地のエネルギーを感じて、心洗われる感じ」

今年の初めは、ハワイのマウイ島で、普段はなかなか入れないハワイアンの聖地、ヘイアウを訪れたとか。「明らかに、他の場所とは違う“気”がありましたね。いや、決してそんなに霊感が強いほうじゃないんですけど(笑)」

「一人になって心を解放して、本当の自分がふわ~っと浮かびあがってくると、同時に自分の中で音が鳴り始めるんです。そしたら、曲を作ってみたいなって思う、子供みたいに…」と一馬さん。できるなら、なるべく今までに「聴いたことのない音楽を…」とも。

お気に入りのギターの一本、アイルランド製のローデンを弾く一馬さん。「ボディはスティールギターの構造で、弦はガット。一台でどんな音も作れちゃうギターなんです」

お気に入りのギターの一本、アイルランド製のローデンを弾く一馬さん。「ボディはスティールギターの構造で、弦はガット。一台でどんな音も作れちゃうギターなんです」


彼の音楽に身を委ねて、狂おしくも美しい別世界へ連れて行かれてみませんか? 8月17日には、渋谷・公園通りクラシックスで、ピアノの林正樹さん、サックスの橋詰亮督さんたちと、ニュープロジェクトのライブも。詳細はぜひ、彼の公式サイトでご確認ください。

お昼寝に心地いい音楽は、通常、聴いても最高です。ほんのわずかな迷いも、眠たい耳は許してくれませんから。この3枚で、夏のシエスタ美人に輝いてください。


・ギジェルモ・リソット「El paso del tiempo」
ギジェルモ・リソット 公式サイト

・カルロス・アギーレ「grupo」
カルロス・アギーレ2015ジャパンツアー

・藤本一馬「Dialogues」
藤本一馬 公式サイト

※記事内の日付はすべて2015年のものとなります
(稲木紫織)

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