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“妻だけED夫”とセックスレス…怒りのマグロ女:和枝の場合【リアル・モンスターワイフ、再び 第7回】

Woman.excite / 2018年4月14日 22時0分

写真


ⓒMonet-stock.adobe.com


夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。

前回までは、ビジュアル系、メンタル系のモンスターワイフのリアル・ストーリーをご紹介してきました。いよいよ今回は、セクシャル系モンスターの登場です。

セクシャル系モンスターワイフになるのは、実は無自覚のケースが大半。ハッと気付けばモンスター化していた、というケースが多いのです。けれども、一度暴れだしたモンスターを退治するのは茨の道。

ご紹介するエピソードとチェックテストを参考に、セクシャル系モンスターの魔の手が自分に忍び寄りつつないか、確認してみてください。

■筋金入りのマグロ女、気づいてみたらセックスレス!?

「セクシャル系モンスター 遅咲き冷凍マグロ」代表:和枝(仮名)34歳の場合

「え…うちってマズイの?」

和枝は思わずつぶやいた。テレビをつけると、セックスレス特集番組が目に飛び込んできたのだ。

夫の雅史と最後に抱き合ったのはいつだったか、和枝は思い出せなかった。1年くらい前…? 2年以上前ってことはないと思うけど…。不安感が、和枝の心をじわじわととらえ始めた。

「私たちがセックスレス? 男はいつだって、セックスのことで頭がいっぱいなんじゃないの?」

和枝は性的に淡泊なタイプだった。ただ、男というのは誰でもセックスしたがるもの。そしてセックスさせてあげれば、男女の仲は安泰…それが、和枝のセックス観。

和枝はふくよかなボディだ。豊満なバスト。ムッチリした太もも。バスタイムに鏡にうつる魅力的なボディを見つめて、笑みを浮かべていた。実際、黙ってセックスを「させてあげる」ことで、彼女は好条件の夫を手に入れた。同い年の雅史は真面目な働き者で、とても優しい。2人は28歳の時に結婚した。

結婚後、セックスに興味のない和枝には、定期的にお誘いがかかる夫とのセックスが、ただの面倒な作業にしか思えなかった。それでも仕方なく、4度に1度くらいは誘いに応じるようにしていた。しかし…和枝はベッドの上では仰向けに寝そべったまま動かない。雅史が腰を振る時だけかろうじて背中に手を回すという動作しかしない。ましてや雅史をなでるとかなめるとかは一切ない。

和枝は筋金入りの『冷凍マグロ』だった。

和枝にとってセックスは男に「させてあげるもの」。自分のほうから何か「してあげる」必要があるなどとは、夢にも思っていなかったのだ。冷凍マグロの和枝は、雅史の心まで冷まし始めた。雅史は次第に和枝を誘わなくなっていった。

そこに、テレビのセックスレス特集である。男というのは断られても、しぶとく誘ってくるものだと和枝は思っていた。それが今では、もう最後に誘われたのがいつだったか思い出せない…。

「なんで? どうして? まさか雅史、浮気してるの…??」

■浮気を疑って夫のパソコンを見たら、そこには驚きの…

和枝は夫の行動に目を光らせ始めた。夫のスマホを盗み見るまでした和枝だが、疑わしい点は何一つ見当たらない。

それでは夫の部屋にあるパソコンは? パソコンを使って浮気相手とやり取りしている可能性だってある。そう考えた和枝は、週末自室でパソコンを使っていた雅史がトイレに立ったスキに、夫の部屋に忍び込んだ。

「なにこれ…!!」

そこには、和枝が想像すらしていなかった光景が広がっていた。アダルト動画のサイト…和枝の頭の半分は、衝撃でまひしている。けれど、残りの半分は妙に冷静だった。雅史はこれまでに、どんな動画を視聴してきたのだろう? マウスに置かれた手が勝手に動く。和枝の目の前に、雅史が購入ずみの動画一覧が表示された。

「…女子大生? …セーラー服?? …幼な妻???」

甘ったるい童顔、薄桃色のほっぺ、切りそろえた前髪、小柄で華奢(きゃしゃ)な体…これでもかと言わんばかりに若さを前面に押し出した女たちの裸体が、次々と目に飛び込んでくる。

「これは、私への当て付けなの?」

怒りに震えた。和枝はボディに自信があるし、雅史も彼女の女性らしい体つきが好きだと言っていた。自分は「求められる女」なのだという自信が和枝にはある。だからこそ、この現状に死ぬほど屈辱的な思いを感じてしまった。

「確かに私はもう30代だし、グラビアアイドルでもない。だけど、画面の向こうの誰かじゃなくて、雅史の目の前にいる生身の女なのよ。それなのに…それなのに私とはセックスレスで、こんな動画を見てるだなんて、許せない!!」

何が何でも雅史の目を、もう一度私のほうへ向けてやる。和枝は決心した。その夜の寝室。先にベッドに入り、車の雑誌を読んでいる夫に切り出した。

「ねえ雅史、そういえば私たち、もうずっとセックスしていないよね。久しぶりにしない?」

雅史はきっと大喜びでこの申し出に乗ってくる。和枝は確信していた。昔はあんなに誘ってきた雅史だもの。一人で動画なんか見てるより、実際に私とセックスできたほうが、ずっといいに決まってるわ。

ところが、雅史の反応はまったく想定外のものだった。彼は居心地の悪いような、少し怒ったような顔をして、こう言ったのだ。

「何だよ、どうしたんだよ、今さら。和枝はセックス嫌いだろ。いいよ無理しなくて。それじゃあ、おやすみ。」

雅史は雑誌をポンっとサイドテーブルに投げてスタンドの灯りを消した。和枝は二の句をつげない。その夜、彼女は一睡もできなかった。
 
 

■「遅咲きのマグロ女」に投げかけられた夫の非情な一言


ⓒSergey Nivens-stock.adobe.com


数日後、和枝は再び雅史にお誘いをかけてみた。普段はパジャマを着てベッドに入る和枝だが、この日は下着姿だった。バラの花の刺しゅうが右胸に施されているレース生地。パンティも光沢があるシルバー。アンダーヘアはもちろん小さな布におさまるようにカットしている。はみ出してはいない。

和枝の持っている中で一番の勝負下着。けれど今回も、夫の反応は前回と同じ。そっけない「おやすみ」という言葉が寝室にひびく。和枝は怒りではらわたが煮えくり返る思いだった。

しかし、ここで「あなたのパソコンチェックしたのよ! あんなにアダルト動画を見ておいて、私とはセックスできないわけ!?」などとは言えない。怒りと屈辱と敗北感で頭が大混乱していた和枝の口から出てきたのは、「どうして? もう私を愛していないから?」という言葉だった。

雅史は静かな声で答えた。

「愛してるよ。仕事も頑張って、家のこともちゃんとしてくれて、俺の実家との付き合いまでこなしてくれて…和枝は本当にいい奥さんだと思ってる。でももう、セックスとかは…。俺たち、そんな感じでもないじゃないか

もうそんな感じじゃない? どうして? 私が年を取ったから? 私なんかとセックスするより、パソコンで若い女の子の裸を見ているほうがいいって言うの? 両目から熱い涙をあふれ出しながら、和枝は突然、雅史の下半身に手を伸ばした。

「やめろよ!」

ギョッとした顔の雅史が、その手を乱暴に払いのける。

「どうして!? どうして勃たないのよ!?」

和枝は泣きながら叫んだ。その日から和枝の頭は、セックスのことでいっぱいになった。

■夫から拒絶されるたびに…「私って女として価値がないの?」

セックスなんて、自分さえその気になればいつだってできるもの、のはずだった。ところが、和枝が下着姿で迫ろうと、ペニスを握ろうと、パジャマのズボンを引きずり下ろして陰茎にかぶりついても…雅史の下半身は無反応。それどころか、雅史は一刻も早く和枝から体を離そうと、必死で逃げ惑う始末。

「一体、なんなのよ…!?」

どうして? 私ってそんなに、女として価値がないの? 夫にすら逃げられる女…それじゃあ私このまま、二度とセックスしないまま、人生終わるの? いつしたのか、どんなだったか、これっぽっちも思い出せないようなセックスが、私の人生最後のセックスだっただなんて、そんなのあんまりだわ!

もうできないのか。二度とできないのか。そう思えば思うほど、和枝のセックスに対する執着心は、恐ろしい勢いでふくらんでいった。「自分は性的に淡泊なほう」と信じて疑わなかった昔の和枝とは、もはや別人だった。

そんな和枝に、雅史はひたすら困惑するばかりだった。もっと正直に言えば、妻の豹変(ひょうへん)ぶりに恐怖すら覚えていた。


気付けば『拒む側』から『拒まれる側』に回っていた和枝さん。生まれて初めて切実にセックスを渇望するようになりますが、その頃にはもう夫の熱意は完全に消滅していました。

セックスに対する意欲が、完全にすれ違ってしまったこの夫婦…2人はこの後、どうなるのでしょうか? そして、あなたは和枝さんと同じ轍を踏んでしまう危険性を抱えていませんか?

次回はそんなリスクを判定するチェックテストをご紹介します。ぜひお試しください。
 
 
(三松真由美)

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