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【個別インタビュー】世界が絶賛「マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白」の新鋭ユン・ジェホ監督が伝えたいこと

Wow!Korea / 2017年6月3日 9時36分

撮影しながらすごく悲しくて、憂鬱でした。大変でした。旅を経た後に、自分のアイデンティティに対しても悩んだし、「絶対にこの映画を作らないといけないのか?」と諦めようと思ったことも何度もあるし…。精神的にすごく大変でしたね。

―そのつらさはどうやって克服していったんですか?

ハハハ。どうしたかなぁ~。よく分からないですね(笑)。自然な流れに身を委ねました。

―中国のご主人とバス乗り場で別れるシーンでは、マダム・ベーさんがバスの中で涙をぬぐう姿が印象的でしたが、監督はカメラを回しながらどんな思いだったんでしょうか?

実はそのバスが、タイ・バンコクまで行くとは知らずに乗ってしまって、どういう状況かよく分かっていない、ボーッとした状態だったので、彼女が涙を流すのを見ながら、なんで悲しいんだろうと(笑)。あまり深く考える余裕はなかったですね。その後も、旅の中で悲しみとは何か、という定義については考えましたが、彼女に途方もない質問をしたことはなかったと思います。

―そのバスから長い旅が始まりますが、旅の中では何が一番大変でしたか?

山登りです。12~13時間山登りをしたので。そのときは、雨が降った後だったのか、歩くときに滑ってしまって、足のケガもしたし、かなりつらかったです。でも、みんなに助けられましたね。お互いに頼り合って、ブローカーが僕のかばんを持ってくれたり。ただ人間って、どんなに危機が迫ってきたとしても、進むべき道が1本しかなければ、何があっても、その道を進むんだなってことを実感しました。

―人間の強さを感じますね。

そこまでは分かりませんが、むしろ、人間の弱さを感じますね(笑)。

―映像では「ご飯ぐらい食べたい」と言っている場面もありましたが、食事はどうされていたんですか?

ご飯は食べられませんでした。りんごとか水を分け合ったぐらい。たぶん、りんご1切れが全てだったんじゃないかなと思います。

―監督から見たマダム・ベーさんの魅力は?

性格が僕の母とすごく似ているんです。母も釜山の人間で、言葉が強くて、タフな言い方をするし、すべての行動が早いです。決定を下すのも早いし、適当にやっているように見えて、実はきちんと仕事ができるし。自己中心的なところもあって、母から電話がかかってくると、母は自分の言いたいことだけを言って、すぐに切ってしまうので、そういう部分もマダム・ベーと似ているなと(笑)。マダム・ベーを見ると、素晴らしい人、すごい女性だなって。自分が手に入れたいもののために、最後まで戦い抜く強い女性で、先入観を取り除くと、リスペクトできる人だと思います。

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