特集2017年10月25日更新

修好130周年。もっと知りたい、微笑みの国タイ

「微笑みの国」タイ。優しく、話し方も丁寧で明るく、周囲とのお付き合いも上手な人が多い印象のタイ。世界屈指の観光国でもあり、実際に行かれたかたも多いかと思います。今年2017年はタイと日本の修好130周年という節目の年でもあり、今日はタイについて様々な角度から見ていきたいと思います。

目次

今年で日本とタイの修好130周年

2017年はタイと日本の修好130周年にあたります。それにともない、各地でそれぞれの文化や交流に関連したイベントなどが開催されました。

 国際交流基金バンコク日本文化センターがタイ外務省と在タイ日本国大使館と共に日タイ修好130周年記念展覧会「日タイ130年の歩み」展を開催している。

また、同じく修好130週年の試みとして、日本の漫画展、それもなんと葛飾北斎の「北斎漫画」をバンコクをはじめとしたタイ各地で展示するという試みも行われました。

世界的に注目される日本のマンガと、マンガの起源のひとつとして評価される葛飾北斎による『北斎漫画』を、この展覧会では比較・対照して展示する。これはマンガ展史上初の試みとして、関係者からも注目されている。

現在のタイ情勢

10月26日のプミポン前タイ国王の葬儀を控え厳戒態勢に

1946年にタイ国王に即位以来、世界で最も長い在位の国家元首であったプミポン国王が昨年10月13日に死去、その後長男のワチラロンコン皇太子が王位を継承しました。プミポン前国王の葬儀は10月26日に王宮広場で行われ、日本からは秋篠宮ご夫妻が参列されます。

プミポン国王は、1946年6月9日にラーマ8世(前国王)の急死を受けて急きょ国王に即位、タイ仏教の習慣に従い一時期を仏門で過ごしたほか、趣味のカメラをぶら下げて全国各地を訪問し、国民に気さくに声をかけるなど、「国民に愛される国王」だった。可能な限り政治への関与を回避しながらも、クーデターや騒乱の際にはここぞという時に関係者を王宮に呼んで和解や沈静化に努めるなどその言動は尊敬を集めた。

新国王には様々な評判がありますが、タイには厳しい不敬罪が存在します。王室への批判は違法行為になるため、ほとんどのタイ人は新国王についてネット上で論評を控えています。また葬儀には国内外の要人をはじめとして非常に多くの人々が参加するため、タイ国内は厳戒態勢が敷かれているようです。そのため、旅行者も注意が必要です。期間中は外出時は暗めの服装を心がけたり、不謹慎な言動は慎みましょう。また、一部の観光地は入場規制が敷かれていることもあるようです。

タイの報道によると、10月2日、タイのプラウィット副首相兼国防相は、故プミポン前国王陛下の葬儀に合わせてタイ国内外に存在するとみられる反王室グループが犯行を計画している可能性があると指摘。26日に行われる火葬式の参集者は25万人に達すると見込まれ、厳重な警備体制を敷く考えも示した。

ただ、現在のタイ情勢について詳しい、アジア情報のニュースサイト「Global News Asia」編集部によると、必要以上に渡タイを不安がる必要はないとのこと。現在のタイは軍事クーデーターによる政権下にあり、爆破テロなども発生している、と聞くと恐ろしいイメージを感じる方もいるかもしれませんが、現在の政権はこれまでよりも安定した運営が行われているそうです。タイの軍隊は国の中で一番優秀な人が集まるため、軍と言っても兵隊ではなくキャリア官僚のようなものなんだとか。
これは余談ですが、タイ軍は昔から若い時に日本の防衛大学校で学んだ人が多いそうです。日本で言うところのキャリアのようなもので、防衛大学校を卒業後に幹部になる人も少なくないんだそうです。
爆発事件も起こっていますが、これはアジアでは珍しいことではなく、街中には治安のための監視カメラもあり、治安はアジアでも一番安全といっても過言ではないそうです。

世界屈指の観光国・タイのオススメ観光地

2年連続で「世界一の渡航先」となったバンコク

2016年の世界渡航先ランキングですが、バンコクは堂々の一位。旅行者が現地で消費することで、観光地や都市として成長している一面もあります。

クレジットカード大手の米マスターカードが発表する「世界渡航先ランキング」の最新版で、2016年の一年間に最も多くの外国人旅行者が訪れた都市は、タイの首都バンコクだったことが分かった。

タイ国内の他の観光地をいくつかご紹介します。

チェンマイ

「山々に囲まれた古都チェンマイの穏やかな空気の中で、日頃の疲れをゆっくりと癒しましょう。新市街の注目スポットから、象と触れ合える山岳地帯までチェンマイを欲張りに遊び尽くせるプランです」とチェンマイへの旅を勧めている。

プーケット

白石麻衣さん、松村沙友理さんはタイ最大のリゾート地プーケットを訪れる。青い海に囲まれたこの場所で、ルーフトップバーでの日本では経験できないようなラグジュアリーな体験や、リラックスムード漂うスパ、オーガニックタイ料理のクッキングスクールの体験など、最高のバカンス旅が実現できるプーケットの魅力を伝えている。

ビーチのイメージが強いプーケットですが、ショッピングや飲食も楽しめるプーケット“オールドタウン”もオススメです。

ピピ島

近くて行きやすいアジア圏からは、美しい景観や自然を楽しめるタイのピピ島がランクイン。ピピ島は、プーケットから船で東に約2時間の距離にあるアンダマン海上に浮かぶ島。サンゴ礁に囲まれた美しい海と、断崖絶壁の石灰岩がつくる独特の地形で形成されている。

世界一美味しい!?タイグルメ

タイ料理は「辛い・酸っぱい・甘い」が同時に来る味、「香草たっぷり」のエキゾチックな味、というイメージをお持ちのかたが多いと思います。現地では他にもいろいろありました。美味しいものをたくさんご紹介します。

米麺 (クイティオ) のラーメン

地元民が多く通っているような小さなレストランで、味良し、値段安し!の米麺 (クイティオ) のラーメン。具材に入っている魚のすり身だんごにすっかりハマりました。

屋台街の豊富なシーフードやデリ

プーケット・パトン地区にある屋台街「Banzaan Fresh Market」です。観光客も多いですが、現地の方々も日常的に利用しているそうです。豊富なシーフードは、購入したらその場ですぐに調理してくれるので、アツアツでいただけます。

街の飲食店

街のレストランでも安価で美味しい料理がたくさんあります。

下の画像は、筆者が現地の屋台で買い、店主に名称を聞いたものの、うまく聞き取れなかった果物。強いて言えば洋梨のような舌触りと薄い味でした。砂糖・塩・チリがミックスされたと思われる添付のスパイスを振りかけて食べるのも面白いです。帰国後調べてみたところ、どうやら「ファラン(グァバ)」のようです。

ショッピングモールのフードコートや飲食店街でもいろいろ楽しめます。

プーケット・タートルビレッジ

ところで、現地でタクシーに乗ったときに、いわゆる注意事項のシールが貼られていたのですが、下記画像の一番右側(少し見づらいですね)にドリアンが書かれていて思わず笑ってしまいましたが、これは本当なのでしょうか。タイ語はまだまだ初心者なので、ドライバーに質問できませんでした。

やはりTwitterでも同じような画像がいくつかありました。真相はいかに?!

「日本大好き」度が増しているタイ人

大好き度合いが倍増!?

「日本という国が好きですか?」という質問に対して、「大好き」と答えたタイ人が2016年は24%でしたが、2017年には倍以上の68%まで上昇しました。また、2016年に「大嫌い」と回答した4%は2017年に0%に減少しました。

「日本という国が好きですか?」という質問に対し、中国以外の国と地域で「大好き・好き」の回答が昨年より増加しました。特に、台湾・香港・タイ・マレーシアでは「大好き」が30%以上増加しています。
次に、東南アジア、特にタイ・マレーシアについては、近年「大好き」の回答がそれぞれ減少傾向でしたが、今年は前年より30~40%増加するなど、日本に対しての好意が戻ってきています。

訪日タイ人の増加

日本の桜や雪を見たくて来日するタイの人々も…

特に、日本の桜の美しさはタイにも広がっているため、4月には花見が目当ての旅行客が急増するという。また、観光客の多い月が冬に集まっているのは、タイの気候も影響している。日本よりも赤道に近いタイは一年を通して暑く、避暑を目的に旅行をする人も多い。そのため、雪を見ることを目的に日本を訪れる人も少なくない。

訪日タイ人の傾向は団体から個人へと移行しつつあるようですが、まだまだ日本熱が冷めることはないようです。

「タイ人の日本好きは冷める様子は全くありません。リピート客も増えて、今は点から面。量から質へと変わって来ています。

タイ人が行きたい日本の観光地

下の記事によると、タイ人の90%以上が「日本に行ってみたい」と答えたそうです。また記事によるとタイには服を脱いでお湯に浸かる習慣がないものの、タイで放映されている日本紹介番組の影響で、日本の温泉に興味津々なんだそうです。

タイ人の行ってみたい場所は、東京の1位に続いて富士山、北海道、京都奈良、九州沖縄の順に続いて、ディズニーリゾートやUSJといったアトラクション施設になった。
行った先で何をしたいかという設問では、1位日本の文化と歴史ある街を見る。2位日本食を食べる。3位買い物をする。4位温泉に入る。5位ポップカルチャーに触れるとなった。

タイにおける日本文化の人気

ここで再び、現在のタイの情勢について詳しい、アジア情報のニュースサイト「Global News Asia」編集部にお話を伺いました。
タイはもともとは親日度は高かったのですが、2013年夏に東南アジア向けの査証(ビザ)発給要件を大幅に緩和、タイからの訪日者にはビザの取得を免除されることになり、多くのタイ人が日本を訪れ日本ブームが起こりました。そこで改めて日本の魅力を再発見して、評価が上がったのだそうです。
また、タイ国内では日本を紹介する旅番組が5つほどあり、今や「あこがれの国・第1位」なんだとか。

日本の文化に関しても「ワンピース」など多くのアニメが放映されおり、最近はメイド喫茶もバンコクでオープンしています。またAKBを始めとするアイドルも人気が高いです。一時は韓国のアイドルに押されている時期もありましたが、AKBグループのBNK48がスタートして、アイドルのライブも行われたりして、日本のサブカル文化が深く浸透しつつあると言っていい状況です。
食文化の面でも、バンコクでは最近、日本の居酒屋がブームになっていて、経済成長により中産階層が増えて昔なら屋台で外食をしていた層が居酒屋や日本食のレストランに押し寄せているのだそうです。

タイでは日本好きを象徴するかのように「Say Hi」「すごいジャパン」「ドゥーハイルー」など多くの日本紹介番組が現在放送されている。そんな中、また新たにひとつ日本を紹介する番組が加わった。新しく放送がスタートしたのは、タイの地上波5チャンネルの「tadaima」という番組。夜10時50分からの30分番組として、今後毎週金曜に放送される。

日本からの経済支援

これまでのお話は大半がバンコクの話で、バンコク以外の、特に山間部や国境地帯はまだまだ貧しく、日本文化どころではないという一面もあります。そういった地域のために日本も経済支援をしていて、例えば険しい山林地域にあり登下校も困難な学校のために四輪駆動車を導入したり、病院に医療機器購入の費用を寄付するなどしています。
そういった面でも、タイの「日本大好き」の気持ちが強くなればと思います。

バーンクンメーナーイ校は、チェンマイ県メージェム郡メースック地区の険しい山岳部に位置する公立学校で、児童送迎や学習用資材及び食料の輸送が困難な状況にある。そのため、同地の過酷な道路環境でも利用可能な安全で効率的な送迎や輸送を可能とする大型四輪駆動車の整備が喫緊の課題となっていた。
大型四輪駆動車の整備計画に対して総額3,162,000バーツ(約990万円)の支援を決定した。

楽しんでいただけましたでしょうか。筆者もお気に入りのタイを特集しました。まとめているうちに、現地の美味しい食事や温かくフレンドリーな人々を思い出し、またすぐにでも行きたいと思ってしまいました。記事スペースの関係上、紹介しきれなかったこともありますので、また近い将来にこちらでご紹介できる日を楽しみに、コップンカー!