ビヨンドMBAの可能性秘める日本の「100年企業」 元中小企業庁長官が語る「温故知新」経営の強み
東洋経済オンライン / 2024年1月1日 9時0分
日本には創業・設立から100年を超える「100年企業」の数が4万社以上あり、世界で最も老舗が多い国とされる。
100年企業についてはこれまでも一部の研究者やメディアが事例やエピソードを紹介してきた。そこからさらに一歩進め、日本の100年企業が持つ強みを体系化、理論化しているのが元中小企業庁長官でシン・ニホン パブリックアフェアーズの100年経営アドバイザーである前田泰宏氏だ。
前田氏は「欧米のMBA(経営修士学)に対抗しうる経営理論が100年企業には詰まっている」と語る。真意を聞いた。
――日本は老舗が多い国だと言われます。
日本に老舗「100年企業」が多い理由を元中小企業庁長官の前田泰宏氏が語る
帝国データバンクの調査によると、日本で創業・設立100年を超える企業(以下、100年企業)の数は2022年に初めて4万社を突破し、2023年9月時点で4万3631社に達している。今年2024年には新たに2019社が加わる。倒産する企業もあるが、差し引きで毎年1000~2000の会社が設立100年を迎えている。
世界の100年企業数は2022年時点で約7万5000社程度とされるため、世界の約6割が日本に集中していることになる。日本は世界に冠たる老舗大国と言えるのだ。
日本はGDP(国内総生産)ではとっくに中国に抜かれている。一人当たりGDPも20位前後に甘んじ、2030年代には韓国、台湾に抜かれるという試算が出ている。日本の産業界は自信を失いかけている。
だが、日本が世界ランキング1位を保ち続けることができる分野が100年企業だ。単にランキングがトップというだけではない。欧米のMBAにも対抗しうる経営理論が100年企業には詰まっている。その事実を体系化、理論化して世界に発信していきたいと考えている。
100年続くカギは「温故知新」
――100年企業にはどんな特徴があるのでしょうか。
通常の経営学は、移り変わる時代の中でビジネスモデルを修正し、マーケットを睨み、テクノロジーを駆使しながら利益最大化を図ることを基本とする。こうした「知新」の能力は経営には必ず必要だ。
しかしそれだけで100年も事業を継続できるかというと、できない。100年企業の創業者は「知新」は他人に任せていることもある。知新は、代替可能だからだ。
老舗企業の創業者が担うのは代替不可能なもの、すなわち「温故」だ。
――温故とは。
日本の老舗企業は必ずといっていいほど次の3つの理念を所持している。「社会課題の解決」「自然との共生」「利他の精神」だ。
この記事に関連するニュース
-
キーノートスピーカーとセッションテーマを発表!6/21に下北沢で開催 街中ゼブラ企業フェス『ZEBRAHOOD 2024』第2弾情報公開!
PR TIMES / 2024年4月24日 13時15分
-
【リカレント教育と国際教育で日本の未来を創るAoba-BBT】5つの領域でコンサルティング事業を開始!
PR TIMES / 2024年4月22日 12時45分
-
あなたは大阪・関西万博の本当の意義・意味を知っているか?【日本経済をターンアラウンドする!】その23
Japan In-depth / 2024年4月21日 12時6分
-
伝説の極楽浄土図、破格の羅漢図…“浄土教美術の名品”が集結-特別展「法然と極楽浄土」東京国立博物館
マイナビニュース / 2024年4月16日 15時0分
-
著名企業の創業者3人「飯田兄弟」何がスゴいのか それぞれセコム、オーケー、天狗を始めた
東洋経済オンライン / 2024年4月11日 8時0分
ランキング
-
1【速報】衆院3補選で自民全敗「納得する」が79% 5月JNN世論調査
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月5日 22時33分
-
2「化学薬品かも」京都駅で不審物みつかりホーム封鎖→その後「忘れ物」と判明し遺失物として返還 連休中の駅が騒然
ABCニュース / 2024年5月5日 20時58分
-
3謎リュックに「四塩化一黄酸」の文字、機動隊が出動…中身は衣類 JR京都駅
産経ニュース / 2024年5月5日 19時4分
-
4山火事で410人避難指示 山形・南陽、延焼拡大
共同通信 / 2024年5月5日 20時26分
-
5桜島で爆発的噴火 噴煙1300メートル 噴石7合目まで飛散
MBC南日本放送 / 2024年5月5日 23時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください