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トランプ氏「不名誉」回避失敗、米史上初の有罪のまま大統領就任へ…法廷闘争は続ける可能性

読売新聞 / 2025年1月11日 6時32分

 【ワシントン=池田慶太、ニューヨーク=山本貴徳】米国のトランプ次期大統領は、不倫の口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判で有罪評決が維持されたまま、20日の大統領就任を迎える見込みとなった。あらゆる法的手段を講じたものの「不名誉」を回避できなかったトランプ氏は、就任後も有罪評決を覆すための法廷闘争を続ける可能性が高い。

 「率直に言って恥ずべきことだ」。トランプ氏は量刑言い渡し前日の9日、フロリダ州で記者団に不満をぶちまけた。

 トランプ氏は就任前の量刑の言い渡しを差し止めようと訴訟を連発したが、9日にはニューヨーク州の裁判所に続いて連邦最高裁もトランプ氏の申し立てを却下し、10日の量刑言い渡しが確定した。トランプ氏が控訴しても大統領就任までに1審結果が覆る可能性は低く、刑事事件で有罪となった状態で大統領に就く米史上初のケースになるとみられている。

 トランプ氏が起訴された四つの刑事事件のうち、今回の事件は唯一公判手続きが進んでいた。就任直前の量刑言い渡しは、裁判の遅延作戦を取るトランプ氏側と担当判事の攻防の結果だ。

 量刑言い渡しが大統領就任後にずれ込んだ場合、現職大統領は起訴できないという司法省の方針に基づき、裁判は凍結される可能性がある。トランプ氏が何ら裁かれない事態を避ける狙いから、判事は就任式前の決着にこだわったとみられている。

 これとは別にトランプ氏の痛手になりそうなのが、起訴取り下げとなった二つの事件の捜査報告書だ。

 2020年大統領選の結果を覆そうとしたとされる事件と、大統領退任後に機密文書を持ち出したとされる事件について、メリック・ガーランド司法長官は、特別検察官がまとめた捜査報告書の一部を近く公表する意向を示している。トランプ氏の事件を巡る赤裸々な言動などが大統領就任前に「暴露」されれば、次期政権の支障となりかねない。

 トランプ氏側は報告書公表の差し止めを裁判所に求めた。提出した意見書では「(報告書公表は)政権移行を妨害する政治的攻撃だ」と司法省を批判している。

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