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アングル:波乱含みの年度末需給、新年度は海外勢の「4月買い」に思惑

ロイター / 2024年3月27日 18時32分

 3月27日、 日米の中銀イベントを通過して手掛かりに乏しい中、日本株市場では年度末の需給を巡る思惑が交錯しており、目先は波乱含みの展開が予想されている。都内の株価ボード前で2月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Noriyuki Hirata

[東京 27日 ロイター] - 日米の中銀イベントを通過して手掛かりに乏しい中、日本株市場では年度末の需給を巡る思惑が交錯しており、目先は波乱含みの展開が予想されている。一方、こうした季節要因を消化した後は、海外勢が再び、相場のリード役として存在感を示すとの期待も根強い。海外勢の「4月買い」のアノマリー(経験則)が今年も実現するのか注目されている。

<年度末は需給が錯綜>

27日の東京市場は「年度末の需給中心の相場」(国内証券のアナリスト)の様相となった。前日の米国市場で株安となったにもかかわらず、日経平均は反発して取引を終えた。

権利付最終日に当たり権利取りの買いのほか、「配当込み」の指数をベンチマークとするパッシブ運用の投資家が翌日の配当落ちで生じるギャップを埋めるための先物買いに動くことを見越した買いが支援したとみられている。

年度末・年度始めの需給イベントはまだ続き、今後は一転、下押し圧力になりかねないと警戒されている。

直近の株高で、年金のポートフォリオに占める株式の比率が高まり、適正な比率に戻すためのリバランスの売りが引き続き警戒されているほか、29日には日経平均の銘柄入れ替えに伴うリバランスも見込まれている。

日経平均の銘柄入れ替えは、買い代金と売り代金の間で約5500億円の売り超過が生じるとフィリップ証券の増沢丈彦・株式部トレーディング・ヘッドは試算。29日大引けにかけ、日経平均構成銘柄に薄く広く売りが出ることが想定される。

日経平均のウエートが約10%と大きいファーストリテイリング、東京エレクトロンに売り圧力がかかることで「指数の下押しに作用しかねない」(増沢氏)という。

相場の支えになってきた企業による自社株買いは、期末前の5日間は東証自主規制法人のガイドラインによる自粛期間に当たることから、この間の下支え役としては期待薄となる。

年度が切り替わると、今度は銀行を中心に金融機関による「期初の益出し売り」が想定されている。含み益のある株式を売却して新年度の利益を早めに確保する動きで、こちらも株価の下押しに作用しそうだ。

証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長は「(日経平均が)4万円に接近する場面があってもおかしくない」とみており、当面は4万円台での値固めだろうとの見方を示している。

<海外勢の4月の買い>

もっとも、調整で下落する局面があれば「買い場」(証券ジャパンの大谷氏)として待ち受ける投資家は多そうだ。需給面からは、新年度入り後の海外勢による買いへの市場の期待は根強い。

米国での税還付の期間に当たることから、金融市場に流入する資金が日本株投資に波及する経路や、欧米の12月決算企業の配当金の支払いを踏まえた再投資の資金流入など複数の要因が考えられている。

2015年からの9年間で、海外勢による4月の買い越しは8回で、買い越し額は平均で1.1兆円となっている。

国内ではデフレ脱却への期待感が継続しているほか、4月後半からの企業の決算発表では、東証の要請を踏まえた株主還元などの施策の発表が続くことによる海外勢の買いへの思惑も根強い。

米大手資産運用会社のブラックロックは25日のメモで、穏やかなインフレーションや強い業績、株主に配慮した改革などを背景に、日本株に強気な姿勢を維持した。

JPモルガン証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは、先進国の株価が堅調な中で「その文脈に沿った(海外勢による日本)株買いは引き続き期待される」と話している。

(平田紀之 取材協力:ブリジッド・ライリー 編集:橋本浩)

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