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「いろいろ捨てて、幸せに」イラストレーター・松尾たいこさんの場合

ananweb / 2018年1月28日 11時0分

「いろいろ捨てて、幸せに」イラストレーター・松尾たいこさんの場合



学んで知識を身につける、お金を出して物を買う。あるいは友達や知り合いを増やす。豊かになるのは素敵ですが、持ち物が多いと、身動きが取れなくなることもある。行き詰まったら、増えすぎた荷物を“捨てる”のも選択肢の一つ。いろいろ捨てて、幸せに。経験者・松尾たいこさんの書き下ろしエッセイからそのヒントをもらえるはず。


今でこそ私は、周りから「いつも楽しそうね」とか「好きなことをのびのびやっている」というような印象を持たれますが、以前は、ものすごーくネガティブで「あれができない」「これも持っていない」と自分にないことばかりを数え上げ、だから自分はダメなんだと落ち込んでいました。

それが変わったのは、30代半ば頃でしょうか。「あんなにすてきな絵が描けるってすばらしいことだよ。人ができることはその人に任せればいいじゃない」と、出会ったばかりの今の夫の言葉も大きかったです。それまでの私は、人の目を気にして他人が持っているものばかり追いかけていたんですね。

そうして「本当にそれがしたいのか」と自分の物差しでいろんなことを見るようになると、「私には必要ないもの」がどんどんクリアになっていきました。

だけど、「捨てたらいいもの」をいきなり全部捨てられたわけではありません。目標やゴールは高くすればするほど、しんどいし挫折感も味わいます。

たとえば、会話の中で否定的な言葉を使わないことから始めませんか。「でも」「だって」「私なんか」などの代わりに「嬉しい」「そうだね」「ありがとう」と答える。

私の人生のモットーは、小さなハードルを越えていくこと。「いらない」と決めたものを少しずつ捨てていき、そのたびに「えらい!」と自分をほめて、気がつくと笑顔でいる日が多くなっていったのです。

捨てること(物や人間関係も含めて)で、もしかしたら後で「しまった」って思うこともあるかもしれません。だけど、その時点では捨てることが必要だったのだから、後悔はしないでほしいです。捨てたことで、時間や気持ち、あるいは部屋の中に余白ができ、そうするとまた今の自分に必要なものに出合えるはずだから。ギチギチだと、そんな出合いにも気がつけませんよ。

苦しそうに生きないでください。もちろん人生には苦しいことはいっぱいあります。私もそうです。楽しいことを見つけられたらいいけど、なくてもとりあえず楽しそうにしてみる。楽しそうにするのはとても得です。だって、笑顔の人には、すてきな人もチャンスも絶対に近づいてくるから。

「年齢を重ねていけば、変わっていけるものですか?」って聞かれることもありますが、それだけでは無理じゃないでしょうか。「何を選び、何を見るか」「誰と付き合うか」「そこで何を考えるか」で人は作られていくから。「自分の人生の主役は自分」。自分が幸せじゃないと、人にもやさしくできないです。まずは自分を大切にして、自分の責任で自由になっていってほしいです。
まつお・たいこ アーティスト、イラストレーター。約10年の自動車メーカー勤務の後、35歳でイラストレーターに。企業の広告や書籍の装丁などで、幅広く活躍中。様々なものを捨てた経験を記した著書『35歳からわたしが輝くために捨てるもの』(かんき出版)が話題。2/12まで六本木ヒルズ A/Dギャラリーで、個展を開催中。

※『anan』2018年1月31日号より。イラスト・micca 

(by anan編集部)

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