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心なごむ昔ながらのスローライフ「旧暦の暮らし」とは?

ANGIE / 2016年4月5日 19時0分

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昔にくらべて、生活も豊かに、便利になった現代。気になることがあれば、ネットで検索。話したいと思えば、すぐに電話やメール。移動も、飛行機に新幹線、電車にタクシー。おいしいレストランや素敵なお店もたくさんあって、選ぶのも迷ってしまうほど。

電気もガスもなかった時代よりも、アクティブに自由に、ゆとりを持って人生を楽しめるはずなのに、「現代人の方がいつも何かに追われて、不自由になっている気がしますね」と、染色作家である70代の女性が、穏やかな笑みを浮かべ話していらっしゃいました。

めまぐるしい毎日に、心はいつも疲れ気味。時々、フーッと長いため息をついて。ふとした瞬間、「このままでいいのかな」とブルーになる。そんな経験、皆さんはありませんか?

 
心をなくしていませんか?
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「忙」という漢字。「りっしんべん」は「心」、「亡」という字には「亡くす」という意味があります。「慌ただしく忙しく毎日を生きていると、心をなくしてしまうよ」と言われたら、ドキッとしますよね。

「忙」は、他のものに心をうばわれ、心を亡くした状態をさす漢字なのだそうです。心が荒れるから、毎日慌ただしい。心を亡くすから、忙しい。そう言われて私自身、深くうなずいてしまいました。

 

デジタルの時計が刻む無機質な時間ではなく、ぜひ、いにしえより私たち人間の中に刻まれてきた「自然の時間」を意識してみましょう! それは、月と太陽が刻む四季のリズム。感じる「時間」が変わるだけで心の流れが変わり、人生の見え方も驚くほど変化しますよ。

 
自然がゆっくりと刻んでいる時とは?
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昔は、月の満ち欠けに基づいた太陰暦が用いられていました。日付は月の満ち欠けにつれて変わります。それでは暦と季節の間にズレが生じてしまうため、太陽の運行に基づいた二十四節気(にじゅうしせっき)が季節の目安となったのです。

二十四節気は、節分を基準にして一年を24等分、約15日ごとに区切ったもの。立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至などは、二十四節気の中でもなじみがありますよね。カレンダーに「立春」の文字を見つけると、寒くても春の訪れを意識するようになり、「春分」ときけば、「あ~、本格的な春だな」と思いませんか?

季節の便りで書く時候のご挨拶。たとえば、「暦の上ではもう春ですが、まだ風も冷たく・・・」といった言い回しは、まさに二十四節気とつながりがあります。二十四節気をさらに3つに分けたのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
心と体で感じる「生きた暦」。季節のめぐりを感じる、そのひとときこそが、心と体を健やかに育んでくれるでしょう。

 
今の時季の二十四節気は?
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今は二十四節気でいうと、どんな時間なのでしょうか。新暦の4月5日頃は「清明(せいめい)」です。

「清明」は、芽生えた草木、花々、空を飛ぶ鳥、すべての生き物が命を輝かせる青い春。朝、玄関から外へ飛び出した瞬間、春の陽射しとやわらかな風を頬に感じて自然と笑顔になりますね。

この時季は私たち人間も、体の内側からエネルギーが高まっていくと言われているんですよ。少し早起きして朝のお散歩へ。また休日、お弁当を持って自然豊かな場所へドライブに出かけるのもいいですね。自然の息吹を体いっぱい吸い込みましょう!

 

古代中国では、「清明」の頃、春の野で青草を踏んで遊ぶ「踏青(とうせい)」という行事が行われていたそうです。のどかな情景が目に浮かびますね。

ちなみに古代中国で「青」は春の色でした。そして夏は「朱」、秋は「白」、冬は「黒」と続きます。

 
季節の贈り物をしてみよう
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ポストを開けると、企業からのDMやお知らせばかりという現代の生活。その中に直筆のあて名が書かれた手紙を見つけたら、「誰だろう?」って胸がときめきませんか?

手紙で季節を贈る。心のこもった手紙は、世界にたった一つのすてきな贈り物です。

 

自然が刻んでいる時間を意識すること、その第一歩として、ぜひ手紙を書いてみませんか? お世話になった人、友達、恋人、故郷の家族へ。季節に合わせた便箋を選んで。文香(ふみこう)をしのばせるのもいいでしょう。

平安時代「香り」は、文を交わす男女の間で思いを伝える大切なツールでした。手紙に香をたきしめ、季節の花を添えて送ったそうです。なんともロマンティック。

封を切って便箋を取り出す瞬間のわくわくした気持ちは、手紙ならではのもの。開いた瞬間ふわ~っと香りがただよってきたら、送り手のこころ配りを感じて嬉しくなりますね。

今の時季なら、ほんのり甘い春の花の香りを選んで。ちなみに私は、文香を名刺ケースや手帳にしのばせて、移り香を楽しんでいます。

 
四季を感じる豊かな暮らし
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いかがでしたか? 季節のめぐりを、祈りの心を、私自身意識するようになったのは、大切な人を失ったことがきっかけでした。毎日を駆け足で生きるのではなく、自分のペースで、もっとゆっくり人生を味わいたいと思いました。

昔の人は、今日を無事に生きられたことさえ奇跡だと、毎日「有難い」という気持ちで、森羅万象に宿る神々に手を合わせていました。自然と一体となって、日々を送っていたんですよね。

道端に咲く小さな花々に足を止めたり、季節によって表情を変える空を眺めたり。そんな四季のリズムを意識して暮らす日々の中で、心に新たな風が吹き、きっと、自分も大いなる自然の一部だと感じることができるでしょう。エネルギーの目覚めを感じられるはずです。

四季を感じながら、ゆっくりと日々を暮らす。そんな、皆さんの心のビタミン剤になるような連載をお届けできたらと思っています。深呼吸ならぬ、心呼吸しましょう。

忙しい毎日にあっても、心はゆっくりのんびり。次回もどうぞお楽しみに。

 

【参考】お家で楽しむデイリーおみくじ 「福を呼ぶ 四季みくじ」」三浦 奈々依、 観瀾斎/プレスアート

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