10万円で10日間、東南アジアを何ヵ国まわれるか挑戦してみた バックパッカーの聖地には大麻ショップが乱立していました(6ヵ国目:タイ)
ASCII.jp / 2024年2月28日 7時30分
円安やインフレの影響を乗り越えて「東南アジアを10万円・10日間で何ヵ国まわれるか?」という企画チャレンジ、シリーズ第5回です。前回は安いご飯とビール、そしてマッサージとサウナが約1000円と激安のカンボジア・プノペンに滞在。このままプノンペンに居続けたいと思ったくらいですが、後ろ髪をひかれる思いで次なる目的地タイ・バンコクへと向かいます。
5日目(2023年12月24日) 魅惑のタイ・バンコクへ
プノンペンからバンコクへはCambodia AirwaysのKR701便を利用。プノンペンを19時15分に出発して、バンコクへは20時10分に到着。55分ほどの短いフライトです。利用したカンボジア・エアウェイズは購入時点でプノンペンからバンコクへの路線としては最安値だったのですが、LCCというわけではありません。なので機内食も出ましたが、クッキーなどスナックだけと水のボトルだけ。55分という短いフライトなので、食べ物が出るだけでもありがたい感じです。
バンコク到着後は鉄道のエアポート・レール・リンクで街の中心部にあるパヤタイ駅まで移動(45バーツ/約185円)。そこからさらにライドシェアのGrabを使い(181バーツ/約744円)、予約していた安宿へと向かいます。
バンコクの宿は8人部屋なら約402円 ガパオライスはボリュームたっぷりで約200円です
バンコクでもドミトリーを予約しており、101バーツ(約402円)とバンコク内でも激安の宿です。トイレやシャワーなど水回りはやや汚れていましたが、ベッドまわりなどはキレイに整頓されていて、自分としては一晩寝るくらいであれば問題なし。
こちらの激安宿に1泊……の予定でしたが、実は今回、こちらには宿泊しませんでした。というのもこの旅行中にオンラインでのテレビ収録の仕事が決まったため、バンコク到着翌日の午前中に、静かな個室での作業環境が必要となってしまっためです。
そのため急遽別のホテルを予約することになりました。ですが、これは予定外の別仕事ということで、この10万円旅の予算外とさせてください。ちなみにドミトリーの代わりに予約したホテルは、ネット経由の予約で1泊 約4639円(1105バーツ)でした。
というわけで、久しぶりの個室で就寝したあと、テレビ収録の仕事を終えて、午後から移動開始。まずは、地下鉄Chatuchak Park駅へと向かいます。この駅にはマレーシアの高速バス購入時にも使用した、OTA(オンライントラベルエージェント)の12Goがチケット交換カウンターを出店しているんです。
(次ページ:ボロボロのバスでもクレカのタッチ決済に対応!)
ボロボロのバスでもクレカのタッチ決済に対応! エアコン付きでも乗車代は約100円以下
バンコクから次の国までは鉄道で移動予定。しかも寝台車を12Goで予約していたので、そのチケットの引き取りにカウンターまでやってきたわけです。タイ国鉄のサイトでもオンラインでチケット予約ができることはできますが、タイの電話番号が必要だったりと、ハードルが高いので、最近はタイ国鉄の予約も12Goを使っています。
購入したチケットは、バンコクのクルンテープ・アピワット中央駅から20時25分に出発し、翌朝6時25分にラオス国境付近の街にあるノーンカーイ駅まで。2等寝台で約5591円でした(ネットで予約し日本円で支払ったため現地通貨表記なし)。
夜の20時25分発ということで、出発までは時間があったこともあり、久しぶりにバックパッカーの聖地ともいえる「カオサン通り」に足を運んでみました。カオサン通りって、バス以外の公共交通機関がないので、アクセスしにくいんですよね。今回はGoogleマップの路線検索でバスルートも検索できるので、バスを利用してみました。
乗車して驚いたのが、運賃係が車内で料金を徴収している風景は以前と同じではあるものの、クレジットカードの決済端末も持っています。調べたとこ、数年前からバス料金をクレジットカードで払えるようになったんですね。雇用問題もあるので、係員に決済端末を持たせることでキャッシュレス化をすすめているのかな。ちなみにスマートフォンでのタッチ決済では利用できず、クレジットカード自体のタッチでなら決済できました。
バスの料金は、カオサンまでの往路がエアコンなしのバスで8バーツ(約33円)。復路はエアコン付きバスで20バーツ(約80円)でした。エアコンのありなしでバス料金が違うのは、相変わらずのバンコクらしさです。
カオサン通りは大麻ショップが乱立 日本人が手を出すと罪に問われる危険性も
さて久しぶりにカオサン通りまで来てみましたが、派手なお店が多くすっかり観光地化されていますね。カオサンに初めて来たのはもう四半世紀も前。昔も賑わってはいましたが、もうちょっと安宿街的な下町感のあるエリアだったんですが……。
訪れた日が12月25日のクリスマス当日だったことと、早い時間帯だったこともあり、イマイチ盛り上がりには欠ける感じ。変わった点としては、タイでは2022年6月から娯楽での大麻の使用が合法化されたこともあり、特に大麻を取り扱ったショップが目につきました。
(次ページ:日本の法律では、国外においても罪に問われることがあります)
ちなみに日本の法律(大麻取締法)では、国外においても大麻をみだりに所持したり、譲り受けたりしたといった場合などに罰する規定があり、罪に問われることがあります。なので海外は合法だからと言って、日本人は手を出さないほうがいいでしょう。海外を歩いていると、独特な匂いが漂ってくることがよくありますが、そもそも自分は大麻の匂いがキライなんですよね……。
合法化したことであまりにも大麻ショップが乱立してしまったことから、2024年内にはタイ政府が娯楽目的の大麻使用を禁止にするといった報道もあるようです。日本人が大麻に手を出さないのは当然として、あっという間になくなってしまうかもしれないため、物見遊山的に今のタイの風景を見ておくというのはありかもしれません。
長距離列車が集まるターミナル駅へ タイ国鉄は車内での飲酒禁止でちょっと寂しい
そんな最新のバンコク事情を眺めつつ、列車の出発時刻も近づいてきたのでクルンテープ・アピワット中央駅へと移動します。タイ国鉄の始発駅と言えば、フアランポーン駅がおなじみでしたが、長距離列車むけのターミナル駅として新たにクルンテープ・アピワット中央駅を建設。2023年1月から多くの長距離定期列車が、このクルンテープ・アピワット中央駅の発着に変わっています。
筆者もクルンテープ・アピワット中央駅を使うのは初めてで、東南アジア最大規模と言われており、実際に行ってみるととにかく広さに圧倒されます。ただしショッピング街などがあるわけではなく、屋台のようなお店がある感じで、とにかくだだっ広いという印象。
チケットはあらかじめ入手済みですが、列車が出発する20分前まではホームに入ることができません。以前のフアランポーン駅ではチケットがなくてもホームに入ることができたので、異国の鉄道を自由に眺めることができたのですが……鉄道好きにはちょっと残念です。
ひとまず売店で寝台車で飲むための水やお菓子を購入。ちなみにタイ国鉄では車内での飲酒が禁止となっており、売店でも売っている様子はなかったので、車窓を見ながらビールはできません。そのあたりもちょっと残念ですが、決まりなので致し方ありません。
(次ページ:寝台になる長距離列車はユニークで清潔)
いよいよタイから国境を越えてラオスへ 寝台になる長距離列車はユニークで清潔
というわけで、発車時刻の20分前になったので、ホームへ移動して指定されたシートに座ります。ちなみに2等寝台は上下にベッドがありますが、クルンテープ・アピワット中央駅出発時は椅子の状態になっています。
列車が出発してしばらくすると、乗務員がシートをベッド仕様にテキパキと変更。今回自分は下段をチョイスしています。というのも下段のほうが窓が見えますし、空間としてはちょっと広め。しかも上段はエアコンの吹き出し口が近いので寒いんですよね。その代わり下段のほうが価格は若干高くなっています。
列車は北へひた走り、翌朝、ほぼ時間通りにタイ国鉄の終点、ノーンカーイ駅へ到着。現在の残金は3万5697円。ここからまた電車で国境を越え、ラオス・ビエンチャンへと向かいますが、それはまた次回ということで。
以下は、ここまでかかった費用です。
■移動予算10万円(国境越えや長距離移動+宿代) 飛行機代(Cambodia Airways/プノンペン→バンコク):9720円 宿代:402円 鉄道(バンコク→ノーンカーイ):5591円 合計:1万5713円 前回までの費用:4万8590円 残金:3万5697円
※そのほか滞在費など(予算に含めず) SIM/8日無制限:1845円 エアポートリンク:185円 Grabクルマ:744円 Grabクルマ:698円 露店ガパオライス弁当:206円 コンビニコーラ:78円 BTS:177円 BTS:193円 サンダル:824円 アイスティー:206円 路線バス:33円 シンハービール小:412円 路線バス(エアコン):80円 カオマンガイ:206円 BTS:193円 MTR:78円 シューマイ、肉まん:267円 水(大)、コーラ、ポッキー、コロン:391円 合計:6816円(累計:4万9777円)
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
- 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
- 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)
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