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険しい道のりをゆく陸上自衛隊の「偵察オート」?どうしたら隊員になれるのか

バイクのニュース / 2024年3月20日 9時10分

普段、あまり耳にすることのない「偵察用オート」。しかし、その知名度とは裏腹に、災害時には私たちを助けてくれる存在でもあります。では、実際にどのようなバイクを使用し、どのような場面で活躍しているのでしょうか。

■偵察用オートとはどんなもの?

 日常生活の中であまり聞くことのない「偵察用オート」という言葉ですが、これは陸上自衛隊の装備品「偵察用オートバイ」のこと。文字通り、偵察に向かう際に使用するバイクを指しています。

陸上自衛隊の装備品偵察用オートは、カワサキの「KLX250」がベースとなっている陸上自衛隊の装備品偵察用オートは、カワサキの「KLX250」がベースとなっている

 現在陸上自衛隊で使用されている偵察用オートは、カワサキの「KLX250」がベースとなっています。市販されているKLX250とは見た目や装備が大きく異なり、ボディカラーはオリーブドラブという、自衛隊色などとも呼ばれる陸上自衛隊の標準色で塗装されています。

 フレームやカウルなどほぼ全てのパーツがオリーブドラブ色となっており、通常のKLX250で使用されている足回りのメッキパーツなども、できるだけ目立たないような色が施されているようです。

 それだけでなく、灯火類などは、敵地で偵察していることに気づかれないよう、光が目立たない工夫を施して取付けられています。その他、転倒するリスクが高い使い方をすることも多いため、転倒に備えてエンジンガードやヘッドライトガードなども装備しています。また、状況に応じて多くの荷物を積めるよう、キャリアも装備されています。

 さらに偵察用オートは戦闘時、戦地の状況確認などの偵察や部隊伝令をおこなう任務を担っています。そのため、クルマでは入ることのできない林道や、荒れた地形などの悪路も走破できる機動力を持っています。

 なお、偵察のためにバイクが採用される理由としては、偵察していると敵に気づかれない車体サイズであり、かつ小さなエンジン音であるという点が挙げられます。

また戦地以外では、駐屯地間の伝令などの任務もおこなうだけでなく、災害時の被害状況確認なども担うこともあるまた戦地以外では、駐屯地間の伝令などの任務もおこなうだけでなく、災害時の被害状況確認なども担うこともある

 また戦地以外では、駐屯地間の伝令などの任務もおこなうだけでなく、災害時の被害状況確認なども担うことも。バイクの機動力の高さを利用して、いち早く被災地の被害状況を確認し報告することで、その後の被災地支援が迅速におこなえるよう、活躍しているそうです。

 このように、偵察用オートはクルマに比べて小さく、小回りが効くというバイクの特性を活かして、幅広い場面で活躍しています。

■偵察用オート隊員になるための方法って?

 悪路も走行できて機動力が高く、同時に困っている誰かを助ける手伝いができる…そんな偵察用オートに憧れる人も少なくないのではないでしょうか。偵察用オートに乗るためにはいくつかの条件が存在します。

二輪車免許を所有していない場合でも、陸上自衛官になってから取得することも可能二輪車免許を所有していない場合でも、陸上自衛官になってから取得することも可能

 まず陸上自衛官であることが第一条件となりますが、次に必要なのは自動二輪免許を所有していること。ただし、もし所有していない場合でも、陸上自衛官になってから取得することも可能なようです。

 また、これらの条件を持った上で偵察隊に配属されることも必要ですが、ここで外せない条件があと一つ。それは、偵察用オートを操縦するための資格を自衛隊内で取得することです。

 自衛隊内のみ使用する資格には、「MOS(モス)」と呼ばれるものがあります。MOSはMilitary Occupational Specialtyの頭文字を取ったもので、自衛隊内で特殊な技術が認められると与えられます。ちなみに、偵察用オートに乗るために必要なMOSは「自動二輪操縦特技」と呼ばれるものです。

 自動二輪操縦特技を取得するための訓練は、自動車教習所などで教わるような、バイクの基本操作だけではありません。林道や整地されていない悪路での走行や障害物を飛び越えるなど、非常にハイレベルな訓練がおこなわれるようです。

偵察用オートバイ隊員となってからも、有事に向けた訓練をおこなうため、普段の生活では考えられない想像を絶する訓練をおこなうこともある偵察用オートバイ隊員となってからも、有事に向けた訓練をおこなうため、普段の生活では考えられない想像を絶する訓練をおこなうこともある

 そして晴れて偵察用オートバイ隊員となってからも、有事に向けた訓練をおこなうため、普段の生活では考えられない想像を絶する訓練をおこなうこともあると言います。

※ ※ ※

 戦地でも被災地でも、初動対応のために必要不可欠な情報収集をいち早く行えるのが偵察用オートバイです。荒れた舗装や林道でも難なく越えていけるよう、過酷な訓練を修了した者だけが乗れるバイクですが、偵察用オートバイの隊員になるために越えなければならない難関も多いようです。

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