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B型肝炎ウイルスが感染受容体に結合するしくみを解明

Digital PR Platform / 2024年1月17日 19時0分



[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81746/350_358_2024011513151865a4b1567954a.png
図1:PreS-NTCP結合を介したHBVの肝細胞への吸着


      
 本研究チームは、培養細胞で発現したヒトNTCPとミリストイル化preS1(2-48)ペプチドを混合し、NTCP-preS1複合体を精製することに成功しました。得られたNTCP-preS1複合体について、構造認識抗体Fab(注3)との複合体を調製し、東京大学のクライオ電子顕微鏡(注4)Titan Kriosを用いて立体構造を解明しました。構造解析の結果、NTCPとpreS1は1:1の比率で結合し、preS1が結合したNTCPは結合していない状態と類似した外開き構造をとっていました(図2)。NTCPへのpreS1の結合は広範な疎水性相互作用および水素結合により形成されていました。PreS1(2-48)のN末端側の約30残基はNTCPのトンネル領域にはまり込むように、一方C末端側の約20残基は細胞外側表面を這うように結合していました。PreS1は特定の立体構造をとっていないと考えられていましたが、NTCPトンネル内部で複雑に折りたたまれており、既知のウイルス-受容体結合とは異なる誘導適合モデル(注5)に従った結合様式をとることが明らかになりました。また、preS1のN末端には、ミリストイル基と思われる密度がNTCPの再構成された界面活性剤ミセル中に観測されました(図3)。このことから、ミリストイル基は宿主細胞膜に繋留されることで、preS1の結合を補強することが示唆されました。


[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81746/350_239_2024011513151865a4b15670696.png
図2:ヒトNTCP-preS1複合体のクライオ電子顕微鏡構造
                 

a. クライオ電子顕微鏡により決定されたNTCP-preS1複合体の立体構造。膜タンパク質であるNTCPの細胞外側にpreS1ペプチド(オレンジ)
 が結合する様子が可視化された。NTCPは外開き構造をとっていた。
b. NTCP-preS1複合体の立体構造を細胞外側から見た図。NTCPは表面図、preS1はカートゥーン図(N末端(青)-C末端(赤))で表示さ
 れている。PreS1のN末端側はNTCPのトンネル領域と主要な結合を形成し、C末端側は細胞外側表面を這うように結合していた。

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