B型肝炎ウイルスが感染受容体に結合するしくみを解明
Digital PR Platform / 2024年1月17日 19時0分
[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81746/350_250_2024011513151865a4b15680c67.png
図3:PreS1のN末端ミリストイル基の密度
PreS1のN末端に修飾されたミリストイル基と思われる密度が観測された。この密度はNTCP近傍のミセル中に観測された。
構造解析および胆汁酸輸送試験の結果、preS1はNTCPの胆汁酸輸送経路を構成するトンネル領域を占有することで、胆汁酸の結合および輸送を競合的に阻害することが明らかになりました(図4)。NTCPのpreS1結合部位と胆汁酸結合部位の多くは共通していましたが、NTCPの細胞外側表面のループ領域や膜貫通ヘリックスTM8bの一部はpreS1との結合に関わるものの、胆汁酸の輸送経路には重ならないことが示唆されました(図5)。したがって、これらの領域を標的とした薬剤は、NTCPの胆汁酸輸送機能を維持しながら、preS1の結合のみを抑制できる可能性があり、今後の開発が期待されます。
[画像5]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81746/350_443_2024011513151865a4b1567dbcb.png
図4:ミリストイル化PreS1による基質輸送阻害
本研究で得られたNTCP-preS1複合体の構造と既報のNTCP-胆汁酸複合体の構造(PDB:7ZYI)の重ね合わせ。PreS1はNTCPの胆汁酸輸送経路を構成するトンネル領域を占有していた。
[画像6]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81746/700_385_2024011513151865a4b156883ea.png
図5:PreS1結合阻害薬の標的候補部位
NTCPに対するpreS1結合部位(左)と胆汁酸結合部位(右、PDB:7ZYI)の比較。両者の結合部位はトンネル細胞外側ゲートで重なるが、細胞外側表面領域や膜貫通ヘリックスTM8bの一部はpreS1との結合のみに関与することが示唆された。PreS1結合のみに関わる領域は、副作用の少ない抗HBV薬の標的候補として有望である。
以上の結果より、HBVが外開き構造をとっているNTCPを標的とし、preS1をトンネル領域と強固に結合させることで、ウイルス粒子を肝細胞膜に近接させるというモデルが考えられます(図6)。
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