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中谷美紀インタビュー「あきらめたのは20代の頃」

Entame Plex / 2017年3月8日 8時0分

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中谷美紀インタビュー「あきらめたのは20代の頃」

「シン・レッド・ライン」「ツリー・オブ・ライフ」など数々の名作を世に送り出し、カンヌ最高賞パルム・ドールも受賞した“伝説の映画監督”テレンス・マリックの新作が、3月10日(金)より日本で公開となる。地球の創生から現代、未来までを圧倒的な映像で描く映画『ボヤージュ・オブ・タイム』は、まさにマリックの映画人生40年の集大成と言えるだろう。

マーティン・スコセッシやスティーブン・スピルバーグが絶賛し、「君の名は。」の新海誠監督も“新たな映画のインスピレーションを得た”とSNSでつぶやくこの作品。今回は日本語版吹き替えで“語り”を担当する女優・中谷美紀にその魅力を聞いた。すると、その終盤“あきらめたのは20代の頃”と自らの人生観を語る一幕も……。



――『ボヤージュ・オブ・タイム』の日本語版語り部に抜擢されたときのお気持ちはいかがでしたか?

「正直、私は必要ないのではないかって(笑)。(英語版では)圧倒的な映像にケイト・ブランシェットさんの心地よいナレーションが完璧だったので。迷いや後悔など、さまざまな感情を含んだ声の表現が見事で、日本語は必要なのかな……とも思いました(笑)。でも、プロデューサーのソフォクレス・タシオリスがおっしゃるには『人間は字幕を追っていると思考が働いてしまう。作品のメッセージを心でダイレクトに感じてもらうためには各国、母国語で伝える人間が必要なんだ』と。その言葉を聞いて踏ん切りがつきました」

――映画をご覧になってどのような感想を持ちましたか?

「美しいものも汚いものも、生も死も、善も悪も、始まりも終わりも全て含んだこの作品を見ると呼吸が止まりそうでした。でも暖かいものに包まれて深く呼吸をするような瞬間もあって」

――なるほど。

「自分たちは何のために生まれてどこへ行くのか、そんな誰しもが考える問いを優しく答えに導いてくれる内容でした。『世の無常を嘆いても仕方がない』という東洋思想を強く感じましたね。いずれは皆が終末を迎えるんだから……と人間のわずらいを楽にさせてくれます」

――ナレーションの仕事をするときに心がけていることはありますか?

「ナレーションというのは自分が前に出るものではなく、傷のつきやすい絹のようなものを作り手から見る者に伝える媒介だと考えています。そこに徹するように心がけていますね」



――今作の監督であるテレンス・マリックの作家性に惹かれる部分はありますか?

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