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相続税の「2割加算」ってどんな場合に適用されるの? 孫が相続する場合も加算される?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月10日 9時20分

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平成27年から相続税の基礎控除が引き下げられ、課税対象の範囲が広がりました。国税庁の令和4年分相続税における申告事績の概要によると、被相続人数(死亡者数)に占める課税割合は9.6%となっており、相続人数も約33万人となっています。   この相続税ですが、遺産を受け取った人によっては相続税額が2割加算される場合があります。どのような場合に加算されるのか見ていきます。

相続税の2割加算とは

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む「被相続人の一親等の血族」、および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税の額に対し相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
 

どのような人が2割加算の対象になるの?

2割加算の対象者は、相続や遺贈によって財産を受け取った人が相続人の一親等の血族および配偶者以外の場合です。具体例としては、祖父母、兄弟姉妹、代襲相続人でない孫(代襲相続とは、被相続人よりも先に相続人となる人が死亡している場合で、相続人の子どもが代わりに相続人になること)、甥姪、内縁の配偶者、血縁関係がない友人知人等の第三者などが対象となります。
 

2割加算の税額はどのように計算するの?

まずは、相続税の計算から見ていきます。
 

1.各人の課税価格の計算をする

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を得た人ごとに各人の課税価格を計算します。
 
((相続や遺贈によって取得した財産の価格)+(相続時精算課税適用財産の価格)-(債務・葬儀費用の金額))+(相続開始前3年以内の贈与財産の価格)=(各人の課税価格)
 

2.課税遺産総額の計算

課税遺産総額は、上記で計算した各人の課税価格を合計した金額から、遺産に係る基礎控除額を差し引いてから計算をします。
 
(課税価格の合計額)-(遺産に係る基礎控除額)=(課税遺産総額)
 

3.相続税の総額の計算

相続税の総額の計算は、相続人等が遺産を実際にどのように分割したかではなく、法定相続人の数に算入された相続人が、上記2の課税遺産総額を法定相続分に応じて取得したものと仮定して、各人ごとの取得金額を計算します。
 
次に、各人ごとの取得金額に、それぞれ相続税の税率を掛けた金額(法定相続分に応じる税額)を計算して、各人ごとの金額を合計します。この合計金額を相続税の総額といいます。
 

4.各人の納付すべき相続税額または還付される税額の計算

相続税の総額を課税価格の合計額に占める各人の課税価格の割合で按分し計算した金額が、各人ごとの相続税額となります。
 
上記4の計算後2割加算に該当する場合、ここで加算となります。仮に対象者の相続税額が100万円であれば、+20%の120万円納税することになります。
 

「孫」は注意!

前述のとおり、2割加算の対象者の中に「代襲相続人ではない孫」があります。つまり、孫を養子とする場合は2割加算となります。民法上、養子縁組をすると実子と同じ一親等の血族となりますが、相続税の考え方では、孫を養子とした場合、一世代分の相続税を免れることになりますので2割加算の対象となります。
 

相続放棄した場合の生命保険・死亡退職金はどうなる?

相続放棄をしても生命保険金・死亡退職金を受け取ることがあります。生命保険金や死亡退職金は相続人の生前の財産ではありませんが、「みなし相続財産」として相続税が課税されます。仮に一親等の血族が相続を放棄した場合は、相続放棄しても2割加算はありません。
 
ただし、代襲相続した孫が相続放棄した場合、相続人であるということが要件になり2割加算の対象となるので、これも注意が必要です。
 

まとめ

相続税の2割加算は複雑で分かりにくいですが、その制度があることを知らずに申告すると、加算税や延滞税が課されることがあります。特に兄弟姉妹が相続人となる場合は注意が必要です。
 
また、孫の扱いもケースによって異なりますので、不安や疑問点がある場合は税務署や税理士に相談することをお勧めします。
 

出典

国税庁 令和4年分 相続税の申告事績の概要
国税庁 No.4157 相続税額の2割加算
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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