会社員から事業主に! 事業を始めるってどうゆうことだろう
ファイナンシャルフィールド / 2019年3月6日 10時50分
ここ数年、メディアなどの影響もあり、「働き方改革」というワードが浸透してきました。副業、兼業への関心は高まり、やってみたい、やっている、やめた、など、さまざまな声を聞きます。 百人百通りの人生があるのと同様、自分らしい「働き方」を考えるよい機会です。お小遣い稼ぎ、就業先からの給与の上乗せとしての副業は、より豊かに生活するための手段として有効です。今回は、会社員から事業主への転換について考えてみます。
「事業を始める」って?
「働き方改革」のなかで注目されているのが、「起業」です。定年がない、時間が自由になる、嫌な上司から指示されず、自分のやりたいことがやれる…など、気楽なイメージが先行します。実際、始めるのも簡単です。
お小遣い稼ぎの延長から、なんとなく収入が増えて、税金やブランドイメージから、なんとなく屋号をつけて、なんとなく名刺を作って、なんとなく認知度が高まり、売上も上がってきたから、なんとなく法人化する。そして気づいたら、代表取締役になって…。ということも稀にあるかもしれません。
でも現実は、そう甘くはありません。運よく短期的に成功するかもしれませんが、長続きはしないものです。また、そう語る成功者も、実は緻密に計画を立て、行動した結果だったりします。起業は、覚悟と計画が何より大切です。
何をするのか
ポイントは3つ。
(1)自分がやりたいこと(情熱をもって取り組めること)
(2)自分ができること(今できなくても、(1)があれば、学んでスキルを身につけることは可能)
(3)社会のニーズがあること
です。
どれも大切です。
意外とかかる「開業資金」
「おかね」についても考えましょう。業種にもよりますが、開業にはお金がかかります。勉強会やネットワーク作りのための交流会への参加、パソコンなどの設備の準備、ホームページ作成、仕入れ…、など想像以上に資金が必要になります。
家族の生活費を削る訳にはいきません。2年後に起業と目標を立てて「起業貯金」する方もいますが、時流も考慮したいところです。
利用したい自治体の制度
利用したいのが自治体の制度です。お住まいの都道府県や市区町村のホームページをチェックしてみましょう。オススメは、市区町村の窓口です。
個人事業主の場合、住民票があることが必須条件です。創業支援だけでなく、事業設備資金や事業承継支援資金、環境対策資金など、さまざまな融資あっせん制度があります。実際の資金は銀行から借り入れますが、利子の一部を自治体が負担し、信用保証料の一部を補助してもくれます。
市区町村による違いはありますが、地域の事業者を応援しようという取り組みは、変わらないはずです。
以下のような流れが一般的です。
窓口への相談の予約→相談員との面談(要件の確認、必要書類等の説明)→書類の準備→面談(数回)→借入金融機関の選択→金融機関宛ての紹介状の発行→金融機関への提出→審査→融資決定
提出する書類として、「事業計画書」が必要です。創業の動機や目的、現状、取り扱うサービスや価格帯、セールスポイント、借入希望額、資金計画、収支計画、返済計画などを記入しなければなりません。
ここまで読んで「面倒くさ~い」と思う方は、起業を諦めたほうがよいかもしれません。
事業計画書には、起業にあたって考えなくてはいけないことが、すべて盛り込まれています。ここで真剣に考えることが、次に繋がる一歩といって間違いないでしょう。数字に落とし込むことで現実が見え、将来に対する希望とエネルギーが得られます。
不安はあるかもしれません。でも、安心してください。この制度には、相談員に相談できるというもうひとつのメリットがあります。
区が保証する旨の紹介状の発行までに、相談員との数回の面談が可能です。あまりに非現実的な数字に叱責された、借入額の減額を提案された、などの声は聞きますが、的確なアドバイスを受けられます。利用できる制度をうまく活用することが、成功への一歩です。
巷には起業支援機関や起業セミナーなどが溢れていますが、起業前の高額な出費は本末転倒です。情報収集にとどめ、自分にとって実のあるものか判断したいところです。「自分らしく生きていくため」の選択肢のひとつとして参照してください。
選択肢のひとつとしての起業
成功者の経験談や、甘い勧誘がメディアで取り上げられることが本当に増えてきました。「働き方」について、自分自身と向き合う、家族と話し合う。それが大切です。
たとえ失敗しても、得るものは必ずあります。反省をその後に活かせればよいのではないでしょうか。「やらない」より「やってみる」ことに価値はあると思います。利用できるもの、リスクについても考えてみてください。応援しています。
執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士
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