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トップ直撃 キッコーマン・中野祥三郎社長 しょうゆを世界標準に、海外で浸透した背景 各国でレシピ提案、今後の海外戦略は

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月7日 15時30分

キッコーマンの中野 祥三郎社長(夕刊フジ)

「キッコーマンしょうゆ」は世界100カ国以上で販売されている。現地の食材や嗜好(しこう)に合わせたレシピを開発、提案し続けてきたことが功を奏した。同社の長期ビジョン「グローバルビジョン2030」では、目指す姿の一つとして「世界中の人々からキッコーマンがあってよかったと思われる企業になる」ことを掲げる。中野祥三郎社長(67)は「今年も社員とともに世界に羽ばたいていく」と話す。

――業績が好調です

「昨年11月、2025年3月期の連結純利益が前期比9%増の615億円になる見通しを発表しました。達成すれば12期連続で最高益になります。北米や欧州など海外でしょうゆの販売が順調に推移していることが主な理由です。1960年前後に国際化と国内事業の多角化を推進し、海外ではレシピ提案と試食販売を地道に続けてきた結果、お客さまに必要とされる調味料に成長したことが近年の業績好調の要因といえます」

――海外に生産拠点を設けて50年以上になります

「1973年、米国ウィスコンシン州ウォルワースに工場を建設したのが最初です。現在、キッコーマンのしょうゆは100以上の国や地域で使われており、海外の売上比率は東洋食品の卸売事業と合わせて7割以上です。海外の生産拠点は、米国やオランダ、シンガポールなど8カ所に広がり、米ウィスコンシン州ジェファーソンに9カ所目を建設中で、26年秋に出荷開始予定です」

――しょうゆが海外で浸透した背景は

「米サンフランシスコに販売会社を設立したのが1957年です。しょうゆを米国をはじめ世界に広めるには、現地の料理に使ってもらうことが必要で、肉をしょうゆに漬け込んだバーベキューなど、レシピの提案に力を入れてきました。スーパー店頭でのデモンストレーションも展開し、しょうゆが浸透している北米は安定成長期に入り、1970年代にマーケティングを始めた欧州は成長期を迎えています」

――2020年に販売会社キッコーマン・インディア社を設立しました

「インドの人口が中国を抜いて世界1位になり、次のターゲットとして注目していました。調査を行ったところ、人気の『インド中華』で、色が濃く、着色料やうま味調味料を原料とする〝ダークソイソース〟が使われていることが分かりました。インドでは、色が濃いほどおいしそうと感じる人が多く、黒い色を付けるために使われています。その中で、インド中華のシェフ向けに日本式の本醸造しょうゆを紹介したり、添加物を使わないダークソイソースを開発するなど、地道な活動を続けています」

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