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トップ直撃 キッコーマン・中野祥三郎社長 しょうゆを世界標準に、海外で浸透した背景 各国でレシピ提案、今後の海外戦略は

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月7日 15時30分

――22年にオランダ工場が25周年を迎えました

「欧州市場向けに『KIKKOMAN』ブランドのしょうゆを販売しようと、オランダ・サッペメアに工場を建設し、1997年から出荷を始めました。欧州はまだ米国の4分の1の実績ですが、直近10年の伸び率は北米の約6%に対し、欧州は約10%です。一昨年の記念夕食会にはオランダ王子妃のローレンティン妃、駐蘭大使、政界・学会関係者、地元市長など多くの方にご参加いただきました」

――社長就任時はコロナの真っただ中でした

「国内外ともに移動できなかったため、その時間を有効活用したいと、各部署のマネジャー15、16人との対話の場を月に2回設けました。リアルの時もあれば、オンラインのみや、リアルとオンラインのハイブリッドの時もあり、約2年間で約450人のマネジャーと会い、各職場で取り組んでいること、考えていること、社員の育成やエンゲージメントの向上などについて情報共有しました」

――今後の海外戦略は

「北米でしょうゆの売り上げはまだ伸びると思います。テリヤキソースなどしょうゆ加工品の商品ラインも拡大しています。欧州は引き続き間口の拡大と使用頻度を増やす活動を続け、二桁成長を目指します。インドネシアやフィリピン、タイなどASEAN(東南アジア諸国連合)にも注力し、キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にするための挑戦を続けます」

【会社メモ】キッコーマンしょうゆをはじめ、つゆ、たれなどのしょうゆ関連調味料、デルモンテトマト製品、マンジョウ本みりん、マンズワイン、豆乳など多くの商品を提供している。1917年に千葉県野田市と流山市のしょうゆ醸造家8家が合同し、野田醤油を設立。80年キッコーマンに社名変更。2024年3月期の連結売上収益6608億円、連結従業員数7521人(24年3月現在)。

■中野祥三郎(なかの・しょうざぶろう) 1957年3月生まれ、67歳。千葉県出身。81年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了、キッコーマン入社。国内営業、海外出向などを経て、2011年常務執行役員経営企画室長。12年CFO(最高財務責任者)。15年取締役常務執行役員。19年代表取締役専務執行役員などを歴任する。21年代表取締役社長COO(最高執行責任者)、23年代表取締役社長CEO(最高経営責任者)に就任する。

大阪支店入社して経理部の配属となり、3年後、大阪支店で営業を任された。スーパーの担当として、新商品発売の際はスーパーのバイヤーと相談して陳列を工夫。特売セールなど販売促進活動を積極的に展開し売り上げに貢献した。当初、関西の言葉の言い回しがよく分からず、慣れるまで時間がかかった。「慣れると親しみが湧いてきました」

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