[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.20]静岡学園MF旗手怜央(2年)
ゲキサカ / 2014年11月19日 15時32分
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」
[11.15 全国高校選手権静岡県予選決勝 藤枝東高 0-1 静岡学園高 エコパ]
今季の静岡学園高は、両ウイングの高速アタックが特徴だ。3-5-2の布陣で右に配置されるのが、推進力のある中澤史伝。そして左で起用されているのが2年生の旗手怜央だ。静岡県予選決勝では中澤が再三チャンスメーク。旗手は、先輩には見劣りするところもありながら、それでも高速アタックの担い手として積極的に前へと仕掛けた。
特に、相手の間に割って入るような強気なプレーは魅力のひとつだ。準決勝では、強引な突破からミドルシュートを放ち、こぼれ球を味方が詰めることでゴールが生まれた。相手にとっては「閉じている」はずのところをこじ開けるサイドアタッカーだ。決勝では得点に直接絡むことができず「チームが勝ったことは嬉しいけど、仕掛けやゴール、クロスが足りなかった。そこは納得いかない。結果を出さないと意味はない。最後までやり切るところができなかった」と反省点ばかりを挙げた。普段の練習中、川口修監督からは「シュートまでいかないと魅力がない」と声をかけられているという。仕掛けもシュートも持ち味だが、まだ両方をつなげて発揮することは難しく、さらなる成長を目指している。
旗手は今、幼い頃に思い憧れたものを追った先を一生懸命に走っている。彼の記憶によれば、2007年1月5日、当時小学生だった旗手は、駒沢陸上競技場のスタンドにいた。ピッチでは、第85回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝が行われていた。杉浦恭平(現神戸)を擁した静岡学園が、打ち合いの末に2-3で後に準優勝を果たすことになる作陽高に敗れた一戦が繰り広げられていた。「レベルが高くて、やっているサッカーが面白かった。守備の闘争心も他のチームより感じられた。ここでやりたいなと思った」と憧れを抱いた旗手は、三重県出身だが、静岡学園の系列の中学校を受験。しかし、試験に合格することができなかった。「あんまり、頭は良くないので……」と苦笑いで振り返った旗手は、三重県内の強豪である四日市FCで3年間、技を磨いた。その中学時代はボランチでゲームをコントロール。「ガツガツ仕掛けるタイプではなかった」という。つまり、高校入学でもう一度静岡学園の門をたたき、攻撃サッカーの体現者となるべく進化を遂げているのだ。
旗手は、高校に入ってからの変化を「ここに来たときは走れる選手じゃなかったけど、昨年の選手権予選前にはBチームに落ちてから走りの期間があって、そこで体力がついてきた。足下の技術も付いて来たと思う。能力が上がって、仕掛けていってシュートを打つタイプが向いていると思えて、高校に入ってからはトップやトップ下を自分からポジションを変えていった」と振り返る。より攻撃的に技術を発揮するようになった旗手は、今季のチームで攻撃のスタートとなる両ウイングの一角を担うようになった。そして、自らが足を運び、静岡学園に憧れるきっかけとなった選手権の全国大会に挑戦する。意気込みを聞くと「自分のところから仕掛けないと試合が始まらないというのは意識しているし、ゴールにつながるシュートやクロスは(監督の川口)修さんから期待されているところだと思う。そういうところは、しっかりとやっていきたい。全国大会では静学のサッカーをして、全国の人が『やっぱり静学はすごいな』という大会にしたい」と熱っぽい答えが返って来た。かつては答案用紙という壁に阻まれたが、自身が描いた夢に一直線に進み続けた。少年時代の憧れに追いつき、追い越して次の物語を始める。全国大会は、その一歩となるはずだ。
(取材・文 平野貴也) 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画がスタート! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!▼関連リンク
DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」特設ページ
【特設】高校選手権2014
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