[MOM326]阪南大FW多木理音(4年)DFからFWへ…再コンバート直訴のFWが存在感
ゲキサカ / 2014年12月15日 17時26分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 大学選手権2回戦 慶應大0-3阪南大 BMWス]
DFからFWへ。大会約2か月前にポジションを代えた阪南大のFW多木理音(4年=神戸U-18)が全国の舞台で圧巻のパフォーマンスをみせ、チームの勝利に貢献した。
この日の多木はFW河田篤秀(4年=阪南大高)とともに前線で奮闘。184cm、80kgの身体を活かした力強い突破で決定機を演出したほか、確かな技術で相手守備陣を翻弄した。1-0で迎えた前半27分にはドリブル突破から逆サイドへ大きく振るパスで河田のゴールをお膳立て。さらに3-0のゴールもアシストした。「自分もゴールを決められれば良かった」と唇を噛んだが、3-0勝利の試合で2アシスト以上の存在感をみせた。
大型ストライカーとして、慶大の脅威になった多木だが、約2か月前まではDFとしてプレーしていた。しかし、「点を取る方が性に合う」と考え、須佐徹太郎監督へポジション変更を直訴。これを聞いた須佐監督は「もう後がないんだから、やってみろ!」と“再コンバート”を容認。「そこまで言うなら結果を残してみろよ!」と快く4年生DFの決断を受け入れた。
高校時代はFWとしてプレーし、大学2年時の冬にCBへコンバートした経歴があったことから、FWとしてプレーするには問題はなかったという。むしろ、DFとして「キックやフィードの練習を重点的にやっていたから、(FWとしての能力は)上がっていた」と自分を分析。FWへポジションを戻したことにより「何かが吹っ切れて思い切り攻められるようになって、調子も上がっていった」と笑顔で振り返った。
そして迎えた全国の大舞台。多木はFWとして先発起用した指揮官の期待に応え、2アシストの活躍。得点シーン以外にも十二分の働きをみせた。指揮官は「好調だった多木を起用したことで、河田(篤秀)の精神面も良くなった。あの2人が(絡んで)点を取ったことでチームのムード的にも良くなった。結果を出して良かったんじゃない」と笑って話すと、「(対面の)溝渕(雄志)もいい選手だけど、相当多木のことは嫌だったんじゃないか」と多木が相手の脅威になっていたとの認識を明かした。
現在4年生の多木だが、卒業後について「サッカーを続けていきたい」と力を込める。現時点で進路に関する具体的な話はないといい、「今大会でアピールしていきたい」と強く誓った。このまま阪南大が勝ち進み、インカレ初制覇を成し遂げれば、おのずと未来も開けるはずだ。
(取材・文 片岡涼)▽関連リンク
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