[総体]PICK UP PLAYER vol.5_DF野田裕喜(大津高)
ゲキサカ / 2015年7月28日 7時1分
特集企画「全国高校総体PICK UP PLAYER」
どこに行っても、プロのスカウト陣が目を光らせる。この光景は先輩DF植田直通(鹿島)の時と非常に似ている。プレースタイル自体は異なるが、大津高CB野田裕喜(3年)が誰もが認める大器であることに間違いない。
「楽しみな1年生が入ってくるんだよ。そのうち2人(野田と一美和成)がすでに180cmを超えていてね、どう伸びていくかが楽しみなんだよ」。
今から2年前の春、平岡和徳監督が嬉しそうに話していた姿が懐かしい。名将の期待を一心に受けて入学してきた彼は、その期待に応えて着実に成長し、最高学年を迎えた今年、高校ナンバーワンDFとして注目される存在となった。
すでに特別指定先のロアッソ熊本でJ2デビューを果たし、主軸顔負けのプレーを見せた。試合の流れや相手の狙いを読み取って、緻密なポジショニングとラインコントロールで未然に網を張り、相手がエリアに飛び込んできたら、一気にその網で自由を奪い、相手の攻撃を無力にさせる。身体の使い方、向き、そして奪いどころが整理されていて、不利な状況からでも自分の間合いや体勢に持ち込んで、ボールを奪い取る技術がある。
そのプレーはもう高校離れしているからこそ、前述したように熊本で即先発の座を掴みとれた。「プロの選手を相手に、『かかってこい』と思ったし、強気のプレーが出来た。レベルが高い相手でもそうやって受け身にならずに、積極的に出来たのは大きな自信となりました」。
メンタルも十分持ち合わせ、現在はU-18日本代表でもその才を振るう野田裕喜。プロ入りが確実視されており、数あるオファーの中から、どのチームを選ぶのかに注目が集まっている。
「もっとCBとしてのスケールを上げたい。スピード、対人、キックの質。すべてを貪欲にレベルアップしていきたい」。
まずは昨年準優勝に終わったインターハイで、チームの悲願である全国制覇を成し遂げるべく、『肥後の砦』はその礎を磨き上げている。
執筆者紹介:安藤隆人
1978年2月9日生まれ。元銀行員の経歴を持ち、ユース年代は自身の大学時代から取材を続けている、この年代のエキスパート。日本列島、世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。育成年代を精力的に取材する“ユース教授”。主な著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)、『 星稜高校サッカー部優勝への軌跡―北陸のサッカーを全国へと導いた河崎護の30年』(サッカーマガジン)など
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