[新人戦]U-16代表入りも期待の00年生まれ、藤枝東の大型ボランチMF山口晏侍
ゲキサカ / 2016年2月1日 19時7分
[1.31 静岡県高校新人大会中部地区決勝 藤枝東高 5-0 科学技術高 藤枝東高G]
00年生まれ以降で構成される「00ジャパン」ことU-16日本代表は今年9月、17年U-17W杯への出場権を懸けたAFC U-16選手権インド2016を戦う。森山佳郎監督の下で世界を目指して準備を進める「00ジャパン」だが、メンバー入りに食い込むチャンスはまだまだある。この日は00年の早生まれ、藤枝東高MF山口晏侍(1年)が中盤で存在感を放った。
年代別日本代表の経験はないものの、180cmの高さを活かして中盤での空中戦で再三競り勝ち、1対1の守備でも強さを発揮する。そして相手守備のギャップを正確に突くパス。昨年は1年生ながら名門校のボランチのポジションを奪取し、全国高校選手権でも先発フル出場した。だが、小林公平監督はこれまでの新人戦2試合について「自信持ってやるとできるんですけど、練習では精度高いし、ボールも蹴れるんですけど、ゲームでは結構弱気になっちゃって。(主軸ということもあり)新チームではボールを大事にするという意識が強くなってしまっていた」と評する。対戦相手のトップ下がマークを外せなかったことも影響してバックパスの回数が増え、周りにスペースをつくる動きも少なくなってしまっていた。だが、中盤でフリーになる回数の多かったこの日はボールを受けて前を向く回数を増やし、鋭い縦パスで得点機を演出し、積極的にミドルシュートも狙った。
まだプレーに波があるが、攻守で身体を張ってチャンスメークするボランチ。遠くに位置する選手からパスコースを探して的確な判断でボールを動かす。そして「自信もってやんなきゃ、100パーセント以上の力も出せないと思いますし、怖がっていたら多分上には行けないと思いますし、自分の持ち味も前に出す気持ちがないと通用しないと思う」と積極的にプレーする意欲もある。昨年からの主力として自分がやらなければならないという思いが強すぎるがために、逆に慎重になっている感がまだあるが、よりチームの中で持ち味を発揮すること。年末の高校選手権初戦では力を発揮しきれずに敗れているだけにその悔しさも糧に成長する。
「全国では抜かれたりそういうこともあったので県内では誰にも抜かれないと思いながらやらないといけない。全国では(持っている力の)半分くらいしか出せなかった。パスもらっても後ろばっかりで(パスコースを)前から見つけられなくて、守備の部分でも身体張れなくて1対1も抜かれてしまったので、そういう細かいところをやっていかないといけないと思いました」。全国で学んだことを今年活かしてピッチでより存在感を示す。「(持ち味は)ヘディングもそうなんですけど、ゲームをつくるというところもできますし、1対1の守備では相手を潰す勢いで。監督にも『もっと強くなれ』『1対1の守備を(妥協することなく)死ぬ気でやれ』と言われている」。
系列の藤枝東FCジュニアユースでは攻撃的なボランチとしてゴールも連発。現在は守備的なボランチへ転向して「守備も楽しくてゼロに抑えることは格好いいと思っている」と守備の魅力を口にするが、攻撃精神は常に持ち続けている。昨年よりも攻撃的なサッカーを展開するチーム、そして国体静岡県選抜の中軸として攻守両面で活躍し、全国制覇を果たして「代表の方にも入って行きたい」という目標も達成する。
(取材・文 吉田太郎)
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