1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

東京V・FW高木大輔 「呼吸と一緒に涙が出てきた」、その背に負うもの

ゲキサカ / 2016年5月23日 12時36分

「勝ったときはすぐに思いつくんですけど、負けたときは本当に難しい。どうやったら伝わるか、誤解があっても嫌だし、140字で伝えるのは難しい」と悩みながらも、発信を続けた。日々ホームタウンでの活動や、スタジアムの観客数を気にかけるなど、クラブ全体を思い続ける大輔らしい行動だった。

 ベンチ外となった試合では、スタジアムでサポーターを見送ることもあった。敗戦直後ということもあり、「暴言みたいな厳しいことを言われたら……」と不安もあったようだが、明るい態度に務めては「また来てください!」と敗戦に肩を落とすサポーターへ必死に言葉を送り続けた。「ベンチにも入ってないなら、そのくらいやらないと」と気丈に振舞った。

 そして、チームが8戦勝ちなしで迎えた金沢戦。戻ってきたFWは4戦ぶりに先発すると、今季初ゴール。昨季、大輔が得点を決めた試合は6戦6勝だったことから、勝利への希望が見えたかに思えた。しかし後半28分の交代直後、同30分にチームは失点。1-1で引き分け、またしても勝利はならなかった。

 試合後、サポーターの前へ挨拶にいった大輔は、幾度も天を仰いでは涙をこらえた。「勝てたなと思ったし、とにかく悔しかった。昨季から自分が点を取った試合は負けてなかったのに、今回も負けてないけど勝てなかったから。ただただ悔しくて」。そんな思いが頬を伝った。

 それでも、この悔し涙は無駄にならなかった。金沢戦から1週間で迎えた清水戦。大輔は2戦連続弾を決める。0-1の前半44分、左サイド深い位置からDF安在和樹が上げたクロス。ファーサイドの大輔が頭で叩き込んだ。この得点で勢いに乗った東京Vは前半のうちに逆転に成功。2-1で後半を迎えた。

 後半に入っても運動量を落とさずに駆け回った大輔は、後半ラスト20分の頃には両足全体が攣っていたという。それでも最後まで足を止めることはなかった。途中交代もよぎったが、「こうなったらやるしかない」と腹を括って、前線で走り続けた。

 後半45分には相手CBからGKへのバックパスを必死に追って、プレッシャーをかける。倒れそうになりながらもみせた気迫溢れるプレーにスタンドは沸いた。直後にはサイドライン際で激しい攻防。アディショナルタイムの4分間も必死にプレーし、最後のホイッスルが鳴るまで、文字通りに走りきった。今季二度目のフル出場を果たしたFWは「攣って倒れることもなかったし、90分間やり切れたことは自分にとって良かった」と手応えを語る。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください