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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:覚悟(東京朝鮮高・クォン・ジュンソク)

ゲキサカ / 2016年9月23日 15時51分

 10月6日。偶然にも17回目の誕生日となったその日に、ジュンソクは1年半ぶりに転校という形で“東京朝鮮”への復帰を果たす。山梨学院、東京朝鮮両校の理解を得てのリスタート。「本人が全国常連校に行って活躍したいという夢を持ってあっちに行ったので、それはそれで良いことだと思っていたんですけど、僕としてはこっちに戻ってきた時は嬉しかったですね。“カープの新井”みたいな感じで戻ってきたのかなと(笑)」と笑うのは高監督。ジュンソクも「中学校からの友達もいましたし、同じ学年には選抜で一緒にやっていたヤツもいたので、その中で『帰る』と言った時にみんな温かく迎え入れてくれたのは嬉しかったです」と仲間への感謝を口にする。すぐにサッカー部へ入部したものの、待っていたのは長いリハビリ。裏方の仕事をこなしながら、再びピッチヘ戻れる瞬間が来ることを信じて日々を過ごす。“東京朝鮮高”でのデビューは今年の3月に行われたイギョラカップ。ここで好パフォーマンスを見せたジュンソクは、関東大会予選1回戦の創価高戦で早くも公式戦初ゴールをマーク。左サイドバック。ボランチ。フォワード。様々なポジションで躍動した彼は「復帰した後も実力でしか上に行けないと思っていたので、みんなにはわからなかったかもしれないですけど、ずっと必死にやっていました」という想いを秘めながらも中心選手としての地位を確立し、全国へ行くためのラストチャンスとなる選手権予選を迎えることとなる。

 初戦の多摩大目黒戦で膝のケガから復帰したばかりのジュンソクは後半から途中投入されたものの、「スタミナが切れちゃって、ケガから復帰してからも自分で追い込めていなかった」ことを痛感した。チームは勝ったものの、自身のプレーに納得が行かない。「前の試合から4日間ぐらい空いたので、練習後に自分で走ってきたことで自信を持って臨んだ」という準々決勝の東亜学園戦。雨が降りしきる中でキックオフを迎えた一戦は、エースのリャン・ヒョンジュを欠く東京朝鮮が押し気味にゲームを進めていたが、高監督は「球際で向こうの選手にやられていたので、流れを変えるために」前半27分でジュンソクの投入を決断する。「前半が終わるまで自分が出せる力を全部出して、ハーフタイムで1回休めるという考えをしていたので、最初から飛ばそうとは思っていました」というジュンソクは投入直後からフルスロットル。後半開始早々にはイエローカードをもらってしまうが、「それでセーフティなプレーをするのも自分に合わないので、カードをもらったということは考えながら、自分の特徴である前から激しく追うという所はできていたと思う」とアグレッシブさを失わない。水の浮くようなピッチコンディションの中、80分間ではスコアが動かず、勝敗の行方は延長戦へと委ねられた中で、冒頭のシーンが訪れる。

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