[MOM2017]遠野FW佐々木琢光(3年)_東福岡に「打たされたシュート」から1年…教訓生かしたエースの一発
ゲキサカ / 2017年1月2日 22時43分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 遠野高2-0松山北高 フクアリ]
GKの動きもシュートコースも見えていた。遠野高(岩手)は先制から3分後の前半35分、MF佐々木渓人(2年)のスルーパスに抜け出したFW佐々木琢光(3年)がGKとの1対1から右足でゴール左隅に流し込む追加点。長谷川仁監督が「チームを勝利に結びつけるゴールだった」と手放しで称える貴重な2点目が、その後の試合運びを楽にさせた。
「GKと1対1だったので、GKの動きを見て冷静に流し込めた」。脳裏をよぎったのは1年前の悔しさだ。前回大会は1回戦で東福岡に0-3で敗戦。当時2年生だった佐々木琢は後半17分から途中出場し、同20分にチャンスを迎えるも、左足のシュートは枠を捉えられなかった。
「東福岡戦で決定機を外したのは自分にとってインパクトが大きかった。ボールが自分に入ったとき、頭が真っ白で、周りが見えていなかった。冷静さを失っていたし、打たされたシュートだった」
あれから1年。「GKの状況とか、どのコースが空いているかとか、よく見るようになった」と、毎日の練習から1本1本のシュートにこだわってきた。「勝負はゴール前と言われていたし、結果が出せて良かった。自分の勝負どころであるゴール前で去年より冷静になれた」と、1年前の教訓を生かした。
遠野としても、岩手県勢としても9年ぶりの初戦突破。「岩手県のレベルを上げていかないといけないと思って1年間やってきた。次もチームとしても個人としてもいい準備をして、全国レベルで勝ち上がっていけるようにチームとして戦っていきたい」。05年度に4強、07年度には8強入りした遠野。06年度には盛岡商が岩手県勢初の日本一に輝いた。目指すは“岩手復権”。前橋育英(群馬)との3回戦が、その試金石となる。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 西山紘平)
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