東福岡の“超攻撃”を自慢の堅守で止めた青森山田、ビッグマッチを3-1で制す!
ゲキサカ / 2017年7月30日 19時44分
27分、試合を大きく動かす1点を青森山田が決める。左のCB小山内が右ハイサイドにいたMF浦川流樺(3年)へ展開すると、浦川が判断よく頭でスペースへボールを落とす。縦への動きで一気に抜け出した田中が右足シュートを決めて先制した。
前半は小山内も「前半はほぼほぼ完璧な守備ができた」と振り返った青森山田が1-0で折り返す。だが、後半立ち上がりは東福岡に好機。開始直後、福田の仕掛けから中央にラストパスが通り、2分には右サイドからの折り返しに反応したFW守田怜司(3年)がDFを上手く外して右足を振り抜く。だがシュートは左ポストを叩き、同点とはならず。それでも入りの悪かった青森山田に対して東福岡はサイドからゴール前までボールを通すことに成功していた。
だが、ここで決めきることのできなかった東福岡を青森山田が突き放す。9分、左サイドを起点とした攻撃から中央突破を図ると、クリアボールを田中が右サイドへ繋ぐ。これを浦川が逆サイドのゴールネットへ素晴らしい弾道の右足シュート。黒田監督が「普段、あんなシュートが入ったのは見たこと無い」と微笑むほどの一撃がゴールを破り、2-0となった。
苦しい展開となった東福岡はチャンスも作るが、青森山田の“ゴールを隠す”守備の前にシュートを打ち切ることができない。それでも27分に青木の右足ミドルがDFに当たってコースが変わり、GKの逆を突く形でゴールイン。1点差として士気上がる東福岡はU-18日本代表CB阿部海大(3年)が前線に残って一気に同点を狙う。
だが、攻撃の精度を欠いてチャンスの数を増やすことができない。迎えた後半35分、「守備は攻撃のためにある。守勢になる場面は出てくる。それでも前に出て行くタイミングをきちっと図っておけ」という黒田監督の言葉通りにタイミングを逃さずに相手の背後を取った青森山田が決定的な3点目を奪った。
左SB佐藤拓海(3年)のパスで抜け出した郷家がGKとの1対1から右足シュートを決めて3-1。小山内が「クロスへの守備を徹底することはミーティングから意識していました。ヒガシと組み合わせ決まった時からここに懸けてきたし、(第9節まで終了している)プレミアリーグを通じてここが第10節だと思ってやれと監督にも言われていたので、同じ気持ちで臨めて、失点してしまったんですけど勝てて良かったです」と振り返ったように、この試合に懸けてきた青森山田が自慢の堅守で東福岡をシュート4本、1得点に封じて3回戦へ駒を進めた。
東福岡との初戦を突破したが、次は昨年度の選手権決勝で戦った前橋育英との3回戦。その後も富山一高(富山)、京都橘高(京都)などの難敵が待ち構える。非常に厳しいブロックだが、チーム内から「これで優勝できたらホンモノ」という声もある中で青森山田は昨年度選手権のように逞しく勝ち上がることができるか。失点シーンについて黒田監督が寄せの一歩の甘さを指摘されていたようにまだまだ完璧ではない。それでも郷家が「インターハイは昨年、唯一取れなかった大会なので、組み合わせは大変ですけれどどうしても取りたい」というインターハイのタイトル。大会中もまだまだ貪欲に成長を目指し、それを勝ち取ることにチーム全員で挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2017
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