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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:デジャヴ(國學院久我山高)

ゲキサカ / 2018年6月1日 7時15分

 気持ちが入るのは十分過ぎるほどわかっている。故にあえて焚き付ける必要はないと判断した。それでも、指揮官も「このゲームを越えられるか越えられないかは、正直選手権まで関わるんじゃないかなと思っていました」と正直に明かす。「絶対に負けられないチーム」(宮本)との一戦へ、久我山は並々ならぬ覚悟を携えて臨むこととなる。

 5月26日。駒沢補助競技場。都内屈指の好カードを一目見ようと、数多く駆け付けた観衆の中に、半年前に悔し涙を流した“先輩”たちも姿を見せる。会場に来れなかった“先輩”も「Twitterとかで応援してくれていたので、そういう人たちの顔も思い出しました」と竹浪。さらに、久我山にはもう1つの負けられない理由があった。「今日は学校があって、応援してくれるはずの3年生が来れなかったんです。自分たちもラストのインターハイで、3年生が見に来れなくて終わるのは一番嫌なので」(高橋)「またアイツらに応援してもらえるように『絶対勝ってくるから』って言っていたので、負ける訳にはいかなかったんです」(竹浪)。12時ジャスト。いよいよ決戦の幕が上がる。

 立ち上がりの勢いは久我山。前半5分に金子和樹、6分に戸坂隼人が相次いで決定機を迎え、共にGKの好守に阻まれたものの、攻勢が続く。ただ、実践も徐々に押し返し、流れがフィフティに近い所まで戻されたタイミングで、スコアが動いたのは22分。右サイドのコーナーキックをレフティの豊田歩が蹴り込むと、ボールは鋭く曲がってそのままゴールネットへ到達。意外な形で久我山が先制点を強奪した。

 すると、次の得点が生まれたのは前半終了間際の40分。相手のバックパスがGKに渡ると、「『コレ、走ったら行けるんじゃないかな』と思った」宮本は果敢にプレス。少し大きくなったトラップを見逃さず、スライディングでボールをゴールへ流し込む。昨年の選手権予選後に手術を行い、先月戦列に復帰したばかり。「新チームが始まっても自分はずっと見ているだけで、プレーで貢献できないのは本当に苦しくて辛かった」と語るストライカーの執念が結実。久我山がリードを2点に広げて、前半は終了する。

 もちろん実践も黙って引き下がるチームではない。「後半は結構押し込まれる時間が多くてキツかった」とは高橋。左サイドを中心に猛攻を仕掛けると、後半27分にはその左を起点にゴールを陥れ、スコアはたちまち1点差に。「試合前から厳しくなることはわかっていたので、厳しい所でどれだけできるかが自分たちの鍵になってくると思っていた」(竹浪)「苦しいゲームは想定していたので、そこはみんなで乗り切ろうという気持ちはあった」(高橋)。攻める実践。耐える久我山。そして、アディショナルタイムに突入した40+2分。実践のラストチャンス。エリア内の混戦から放たれたヘディングは、クロスバーを直撃する。

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