ドイツ敗退も後押し…GLは『19回/48試合』の過多傾向 ロシアW杯VAR全事例集4
ゲキサカ / 2018年7月16日 19時15分
ゴールが決まった直後、副審はすぐにオフサイドのジェスチャーを行い、主審も間接FKで試合を再開しそうになった。たしかにキム・ヨングォンの位置は相手守備陣より前にあり、オフサイドポジションかのように思われた。だが、ここで問題となったのは混戦の中で、誰が最後にボールに触れたのかだ。
攻撃側の選手がオフサイドポジションの選手にパスを出すと、反則が取られるというのは基本ルール。だが、守備側の選手が意図的に扱ったボールが、オフサイドポジションの選手にわたった場合は反則にならない。この場面では、混戦の中で誰がキム・ヨングォンにボールを渡したのかが争点だ。
主審はVARとコミュニケーションを取った後、ピッチ脇のモニターでオンフィールド・レビューを実施。すると、MFトニ・クロースのクリアミスから、キム・ヨングォンに渡っていたことが確認された。すなわち、オフサイドにはあたらず、韓国の先制ゴールが認められる結果に。ドイツはこの失点で絶望的なビハインドを負い、そのままグループリーグで姿を消した。
【事例4】大会14日目 スイスvsコスタリカ(②PK判定)
大会14日目には、一度は下されたPK判定が取り消されるという事案も起きた。大会9日目にFWネイマールの転倒が話題になったが、この場面では直前にオフサイドがあったため、そちらの判定が優先された形だ。単にオフサイドがあったかどうかはVARの介入対象ではないが、得点やPKにつながった場合はその限りではないことを覚えておきたい。
場面はスイス代表の1点リードで迎えた後半44分、コスタリカ代表DFケンダル・ワストンがヘディングで前方にパスを送り、これに反応したFWブライアン・ルイスがPA内を突破。競り合ったスイスDFリカルド・ロドリゲスが倒してしまい、主審はPK判定を下すとともにイエローカードを提示した。
だが、VARとコミュニケーションを取った結果、ワストンのパスの時点でルイスがオフサイドポジションにいたということが分かった。そのため、ここではオンフィールド・レビューを行わずにオフサイド判定に変更。この反則はPKの場面より前だったため、この結果が優先され、スイスの間接FKで試合は再開。ロドリゲスのイエローカードも取り消された。
【事例5】大会15日目 セネガルvsコロンビア(②PK判定)
日本代表がポーランド代表との一戦を繰り広げている裏で、グループリーグ最後のVAR介入が行われていた。スコアレスで迎えた前半18分、セネガル代表FWサディオ・マネがPA内にしかけると、コロンビア代表DFダビンソン・サンチェスとの接触で転倒し、主審はペナルティースポットを指差した。
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