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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:あの日、あのグラウンドで(山梨学院高・大石悠介)

ゲキサカ / 2018年8月14日 9時20分

全国制覇を喜ぶ山梨学院高CB大石悠介。(写真協力=高校サッカー年鑑)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「縁ですね。素晴らしい縁に出会えて良かったなと。今大会がこの三重という開催地で良かったなと思います」。そう言って、決勝戦を終えたばかりの大石悠介は、まるであらかじめ定められていたかのような“縁”に想いを馳せる。あの日、あのグラウンドで涙を流していた中学生は3年後、そのすぐ隣のピッチで日本一のセンターバックになっていた。

 もともとは静岡県出身の大石。中学時代は東海大翔洋高等学校中等部に在籍していたものの、同校サッカー部のコーチであり、クラスの担任でもあった方と山梨学院高のコーチが同級生だった関係性に加え、親の勧めもあって、冬の全国優勝経験を有する青と赤の強豪校へと進路を決める。

 最高学年となってセンターバックの定位置を掴み、初めて主力として臨んだ今年の総体予選。大石にはどうしても勝ちたい理由があった。「僕は中学最後の大会だった東海総体の時に、三重で負けたんですよ。それで三重ってインターハイの会場を聞いた時に『来るしかない!』と思ったんです」。3年越しとも言うべき、因縁の地でのリベンジを誓う大石と、キャプテンの西澤俊を中心に堅い守備を誇る山梨学院は、県予選をいずれの試合も2点差以上で勝利し、4年ぶりとなる全国総体出場権を獲得。山梨代表として開催地の三重へと乗り込むことになった。

 初戦の前原高戦を5-0で乗り越え、2回戦で対峙するのは優勝候補筆頭との呼び声も高い市立船橋高。「こっちはもう150パーセントくらいの力を出さないと勝てないですよ」と安部一雄監督も苦笑交じりに語った難敵相手の一戦だったが、「市船には練習試合で2回勝っていて、『強いな』という想いはあったんですけど、勝つ自信はあったので、みんなで『勝てるぞ』と話していました」と大石がチームの雰囲気を明かす。
 
 開始早々の前半2分。市立船橋に訪れた絶好の先制機を、守護神の市川隼がファインセーブで凌ぐと、守備のリズムが生まれていく。そして23分。右に開いたエースの宮崎純真の折り返しから、市川大葵が左スミへ流し込む先制ゴール。山梨学院が1点のリードを奪って、ハーフタイムを迎える。

 後半は市立船橋の猛攻が続く中、守備陣は高い集中力で相手の攻撃を1つ1つ凌いでいく。1-0のままで迎えた後半のアディショナルタイムは何と8分。クーリングブレイクや飲水タイムがあったとはいえ、なかなか見ることのない数字にスタンドからもどよめきが起こった。「キツかったんですけど、勝ちたい気持ちの方が強かったですね。もう全身が攣りそうでしたけど、頑張りました」(大石)。

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