技術と組織力で勝負の麻布大附は挑戦続けるだけ。「ああいうサッカーをやりたいと思ってもらえるように」
ゲキサカ / 2018年9月23日 17時6分
[9.22 選手権神奈川県予選2次2回戦 麻布大附高 1-2 横浜創英高 横山公園]
05年度以来となる選手権出場を目指した麻布大附高は初戦で姿を消した。インターハイ予選でベスト8入りし、さらなる飛躍を狙ったが、横浜創英高との主導権争いで上回ることができず、前半に喫した1点を追う展開に。後半アディショナルタイムに2点目を奪われた直後に交代出場MF北野寛大(3年)の右足シュートで1点を返したが、悔しい敗退となった。
チームは「個を伸ばして組織で相手を上回れるか」(安彦篤監督)というテーマ。小林悠(現川崎F)や太田宏介(現FC東京)を擁して選手権予選を連覇した時代や13、14年にインターハイ予選連覇した時代と比べると、個の力は劣る。
それでも、相手のプレッシャーに動じない技術を身につけ、強豪に勝負を挑んできた。この横浜創英戦でも立ち上がりは前線からプレスをかけてくる相手をMF奈良圭悟(3年)やMF重田泰良(3年)をはじめとした各選手が巧みなファーストタッチやポジショニングの巧さで外して前進。ただし、GKから前線へフィードを入れることなど準備していたことがなかなか表現されず、無理に繋ぎに行ったところを狙われ、リズムを崩してしまっていた。
安彦監督は「もっと立ち向かえると思っていた」と受け身の展開となったことを残念がる。CB岩浅モハメッド(3年)やCB井藤達哉(3年)中心に踏ん張り、後半は交代出場選手たちのスピードも活かして反撃したが、内容、結果ともに悔しい80分間となってしまった。
昨年、OBの小林が川崎FのJ1初優勝に大きく貢献し、最優秀選手賞(MVP)を初受賞。得点王、ベストイレブン、MVPの“個人3冠”を達成した。今年は安彦監督の兄で麻布大附のコーチも務めていたFW安彦考真が40歳で水戸のプロ契約を勝ち取るという嬉しいニュースがあった。
彼らからエネルギーを得た選手たちはその活躍に続こうと努力してきたが、挑戦はまた来年に。安彦監督は「このスタイルで魅力を出さないと。『ああいうサッカーをやりたい』と思ってもらえるようにしたい」。魅力的なサッカーへの挑戦を続けて、また結果も勝ち取る。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2018
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