帝京長岡が“初の日本一!” 5戦20発、決勝も4-0でMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16を制す!
ゲキサカ / 2022年12月19日 19時10分
逆に後半勝負だった神村学園は松下がワンツーでPAへ潜り込んだほか、9分には左サイドを抜け出した金城が決定的なシュートを打ち込む。だが、帝京長岡GK小林が再びストップ。帝京長岡はMF大國篤志をボランチに、神村学園は秋澤悠宇を前線に投入してスコアを動かそうとする。帝京長岡は後半、相手に仕掛けられる回数が増えていたが、DF陣が金城に突破されても食らいつくなど奮闘。小林の好守もあって0-0を続け、後半24分に先制点を奪った。
帝京長岡は自陣左コーナー付近からビルドアップして敵陣PAへ。一度跳ね返されたものの、CB香西が奪い返して前方の和田へ繋ぐ。香西はリターンを要求したが、「自分が点数決めるという気持ちでした」という和田は思い切りよく左足ミドル。これがゴール左へ突き刺さり、1-0となった。
神村学園はすぐにFW大成健人とFW井村知也を投入。29分には、ロングスローのこぼれ球を大成が右足ダイレクトで狙うもクロスバーに弾かれた。神村学園の柏野裕一コーチは「(後半立ち上がりなど)チャンスがあった時に刺しきれないところが、1本2本じゃなかったので。そこのところの質のところが足りない。課題ですね」と指摘する。チャンスを活かせずに失点し、追う展開に。神村学園はドリブル、コンビネーション、そしてセットプレーで相手ゴールへ迫っていたが、帝京長岡は前がかりになった相手の背後をしたたかに狙っていた。36分、直前に投入されたFW冨岡洸仁がファーストタッチで追加点。前線のこぼれ球に反応し、右足でゴールを破った。
さらに39分、左中間へ抜け出した冨岡のラストパスを柳田が右足でねじ込み、3点目。FW横山聡、MF水川昌志、MF山口弘葵を投入した帝京長岡は40分にも左中間を抜け出した水川が左足で決める。後半飲水タイム後の4得点によって4-0。帝京長岡は全日本U-18フットサル選手権での優勝こそあるものの、サッカーの全国大会は全国高校選手権での3位が最高成績だ。それが今回はサッカーのU-16全国大会で優勝。永井主将は「率直に嬉しいです。自分たちが歴史を塗り替えたので良かったです」と胸を張った。
藤田コーチは「選手たちが良くやってくれた」と語り、今後へ向けて「『心美しく勝つ』というのをスローガンとしてずっと言わせてもらっているので、そこは絶対にブラしたらいけない」という。この日は、選手たちの中学年代の恩師も応援に駆けつけていた。今回は藤田コーチと川上健コーチがチームをサポートしたが、この1年生は古沢徹監督が主に担当して指導した世代。その選手たちが、谷口哲朗総監督や西田勝彦ヘッドコーチ中心に作り上げてきた帝京長岡の歴史に新たな1ページを加えた。藤田コーチは「色々な人たちが育ててきた選手たちを預かっているので、また2年後に日本一をやっていけるように鍛えていきたい」。この優勝で満足することなく、チームをアップデートして2年後の選手権日本一を目指す。
永井も「選手権ベスト4までしか行ったことがないので、1位は取りたいですね」と誓った。高校1年生にとっては貴重な経験となった3日間だが、本当の勝負これから。ワールドカップ日本代表のFW上田綺世(鹿島学園高出身)やFW町野修斗(履正社高出身)は高校1年時に関東、関西の各U-16リーグ戦を経験し、そこから武器を磨き、課題を改善しながら力を積み重ねていった。今回の経験を来年や再来年、その先のステージで活かせるように、1年生たちは努力を続ける。
(取材・文 吉田太郎)
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