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「良いところまで行こう」ではなくて「タイトルを獲ろう」。2024年の大成は歴史を変えるための大いなる冒険に挑む!

ゲキサカ / 2024年4月22日 19時22分


「今年はああやってボールを持てますし、出せますし、上手さを持っているんですよね」と豊島監督が話し、小池も「去年はどちらかと言えば前に蹴り込むサッカーだったんですけど、新チームになってからは“下から繋いでいくサッカー”を積み上げてきました」と明かしたように、今シーズンの大成はボールを動かすスタイルを採用している。

 ただ、いつでもそれを貫くことが勝利への最善策とは限らない。この日の試合が延長に入ると、キャプテンの小池は相手との力関係や噛み合わせを考えて、やるべきことを整理したという。「下で繋ぐのもいいんですけど、自分たちの身体能力を生かして、前に蹴り込んだ方が相手が嫌がるのはわかっていたので、とにかく高い位置にボールを蹴り込んで、前でバトってもらおうと思っていました」。

 延長後半はベンチも長身DFの高橋を前線へと送り込む決断を下し、早めに前へと放り込んで圧力を掛け続けたことが、怒涛の3連続得点に繋がったという見方は間違っていないはずだ。勝つために必要なことを徹底した上での勝利に、「相手の出方でゲームを作れるところは昨年度以上に持っています」と豊島監督も認めれば、「臨機応変に対応できるチームができ上がってきているなと思います」と小池もチームへの手応えをハッキリと口にしている。

大成高を束ねるキャプテン、DF小池汐生

 印象的だったのは後半のアディショナルタイムに同点ゴールが決まった時のこと。ピッチサイドで声を枯らして応援していた控えの選手たちも、大半がグラウンドの中へなだれ込み、大きな歓喜の輪を作っていた。決勝ゴールを叩き出した伊佐地は、仲間への感謝をことさら強調する。

「今日応援してくれていた人たちは、学校から直接応援に来てくれて、どの試合も自分たちの士気を高めてくれる応援や、前向きな言葉をずっと掛けてくれていたので、『応援の人たちのために』という想いはかなりありました。自分も去年は応援を経験していて、その悔しい気持ちは理解しているつもりなんですけど、それでも自分の同級生も全力で応援してくれていたので、3点目は応援の人たちが決めさせてくれたのかなと。まずは応援してくれた人たちに感謝したいですし、次もまた勝って応援の人たちを喜ばせて、関東大会に出たいと思っています」。

2ゴールで存在感を示した大成高MF伊佐地晴希

 近年は各大会で上位進出の常連になってきている大成。とりわけ選手権予選ではここ6年で3度も決勝のステージに立っているものの、まだ冬の全国出場は叶っていない。昨年度も準決勝まで勝ち上がったが、最後は修徳高に1-2と惜敗。ゆえに彼らの目標は明確すぎるぐらい、明確だ。

「歴史を変えたいですね。大成の歴史をとにかく塗り替えたいと思っています。まずは関東大会です。目の前の短期目標から取り組んでいく中で、みんなで東京の四冠を目指しています」(小池)「去年はT2に落ちてしまった分、後輩たちにT1で戦ってもらいたいという想いもあるので、T1には昇格させたいですし、関東も獲って、インハイ、選手権で大成と自分たちの名が広まるような1年にしたいと思います」(伊佐地)「選手権の全国に行くのが大成の目標だと思うので、それに向けてスタメンではなくても、試合に出て絶対に結果を残して、チームが東京で優勝して全国に行くのに貢献したいと思っています」(生駒)。

 気持ちで掴み取った劇的な逆転勝利を、きっかけにするもしないも自分たち次第。2024年の大成が挑むのは、歴史を変えるための大いなる冒険。そこへと足を踏み出すための門をこの日、彼らはもう堂々とくぐったのだ。



(取材・文 土屋雅史)

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