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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』Re:スタートライン(桐蔭横浜大・笹沼航紀、東洋大・稲村隼翔、新潟医療福祉大・青木友佑、明治大・常盤亨太)

ゲキサカ / 2024年12月27日 19時35分

 高校時代に大ケガを負った左ヒザは、今も万全とは言い難い。大学でもかつてのようなイメージ通りのプレーが出せず、悔しさを味わうことも決して少なくなかった。「なかなか自分の思い描いた通りの時間ではなくて、本当に苦しい4年間ではありました。上の学年には田中翔太くん(鳥取)も小森飛絢くん(千葉)もいましたし、試合に出る機会が少なかったのと、出てもなかなか活躍することができなくて、凄く悔しかったですね」。

 だが、心が折れそうな時には、いつもあのころのチームメイトたちの存在が励みになった。4年間を最後までやり切ったのは、それが一番大きな理由だという。「あの時の深川ってやっぱり良いチームだったなと思いますし、自分も常に他のチームメイトのことは考えてきました。航紀と隼翔はユースに上がれなくて、きっと死に物狂いで高校生活と大学生活を送っていたと思いますし、隼翔がアルビレックスに入ることが決まって、Jリーグでも活躍していることとか、亨太がFC東京に戻ることとか、そういうことにも刺激をもらってきましたね」。

 U-15深川時代、U-18時代に続いて、自身の出場はなかったものの、青木は大学に入学してからもチームが2度にわたって全国の決勝で敗れる姿を目の当たりにしてきた。3度目の正直、いや、5度目の正直を引き寄せるべく、ファイナルへの強い想いをこう語ってくれた。

「自分はここまでシルバーコレクターになってしまっているので、今回は絶対に優勝したいと思っていますし、今までこうやってサッカーをやってこれたのも、家族だったり、スタッフだったり、チームメイトのおかげだと思うので、自分がゴールを決めて恩返ししたいなと思っています。決勝で隼翔と当たれるのも本当に幸せなことですし、隼翔が自分より上に行こうとするんだったら、自分もその上を行って、叩き潰せるようなイメージで戦いたいですね」。


 笹沼がそっとこんなことを教えてくれた。「ちょうど深川の時に高円宮杯の決勝で負けた日付と、今回のインカレの決勝が同じ日付なんですよ」。みんなで涙を流した西が丘の決勝からちょうど7年後。彼らの中から、必ず日本一に輝く仲間が誕生する。「今回も準決勝に4人残ったように、そういう粘り強さや生命力というか(笑)、あの時の深川のチームメイトはみんなが何かしらを持っているヤツらだと思いますね」。常盤は旧友たちの顔を思い浮かべながら、笑顔でそう言い切った。

 みんなが決勝を楽しみに待っている。サッカーで生きていくことを夢見て、いつものグラウンドでともにボールを蹴り合った青春の時間を思い出しながら、きっとみんなが最後の1試合を楽しみに待っている。

 稲村の未来に、青木の未来に、そしてFC東京U-15深川・2017年度卒団生全員の未来に、幸多からんことを心から願っている。



■執筆者紹介:
土屋雅史
「群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に『蹴球ヒストリア: 「サッカーに魅入られた同志たち」の幸せな来歴』『高校サッカー 新時代を戦う監督たち』
▼関連リンク
SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史
●第73回全日本大学選手権(インカレ)特集

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