関心高まる「美容医療」~トラブルから身を守る(2)豊胸手術には悪性リンパ腫のリスクも
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月3日 9時26分
女性に人気のある美容整形のひとつが「豊胸手術」だ。シリコーンバッグの挿入やヒアルロン酸注入、脂肪注入など、手術法はさまざまだが、例えばシリコーンバッグを挿入した場合、長期の経過観察が大切だという。日本医科大学付属病院美容外科・美容後遺症外来で診察を行う朝日林太郎氏に聞いた。
自分の理想的なバストをすぐ手に入れられる「豊胸手術」は、豊胸用のシリコーンバッグ(インプラント)が開発された1960年代から現在に至るまで高い人気を誇る。インプラントはヒアルロン酸注入や脂肪注入に比べて確実なバストアップや持続性の高さがメリットとされている。ただ人工物である以上、体に吸収されることはないため、感染やバッグの破損などのトラブルのリスクを常に抱えることになる。
高齢女性において比較的多く見られる合併症としては、インプラントの破損や感染などのトラブルである。
「ある80代の女性は、20年前にインプラントの挿入による豊胸手術を受けていたといいます。半年前から右胸が腫れてコブのようなしこりが見られ、1週間前に表面の皮膚が張り裂けたと当院を受診。診るとインプラントが破損して肉芽腫と呼ばれる腫瘤が作られ、皮膚潰瘍を起こしていたのです。まずは手術で原因となったインプラントを除去し、肉芽腫の切除を行いました。高齢になると手術の負担も大きいので少しでも違和感があれば早めに受診してください」
一般的に胸にインプラントを挿入すると、インプラントの周りに被膜が形成され、これが年数の経過とともに石灰化や拘縮(ひきつれ)を起こすことがある。他にも、何らかの強い衝撃によってインプラントが破損すると、炎症や感染などを起こす可能性が高くなる。合併症や後遺症を引き起こさないためにも定期的なフォローアップが重要だ。
「非常にまれではありますが、近年、テクスチャータイプと呼ばれる表面がザラザラしたタイプのインプラントを胸に挿入すると、悪性リンパ腫を発症する場合があるとの報告もあります。発見が遅れると最悪のケースでは死に至る危険もあるので、挿入手術を受けた後は治療を行った医師にしっかりとフォローアップしてもらう必要があります」
とりわけ高齢者の場合、施術治療を受けたクリニックが閉業していたり、執刀医が引退しているケースも少なくない。万が一トラブルが生じた際は、美容後遺症外来を受診することだ。 (つづく)
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