1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

レーシック手術は「5分で済みます」に要注意…そんなに早く終わるはずがない【一生見える目をつくる】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月4日 9時26分

【一生見える目をつくる】#7

「レーシック手術」とはどんなものか? それは、目の表面にある角膜をエキシマレーザーで1000分の1ミリ単位で角膜の形を変化させ、近視・遠視・乱視の矯正をする治療です。エキシマレーザーは、混合ガスを用いてレーザー光を発生させています。

 手術の流れはこうです。まず、フラップと呼ばれる蓋のようなものを角膜の表面に作ります。これは術後の傷を保護して痛みを少なくし、視力の回復を早めるため。ちなみにこのフラップを作るにはフェムトセカンドレーザーを使います。

 このレーザーを開発した先生は後にノーベル賞を受賞しています。次に、そのフラップをめくってエキシマレーザーを照射し角膜を成形します。そして、フラップを元に戻し、きれいに整えて定着させ、手術は終了となります。ここまでで、だいたい15分ほどでしょうか。

 術後は全体がぼんやりとした感じに見え、この段階ではまだ「視力がよくなった」という実感はないでしょう。レーシックの効果がはっきりとわかるのは、翌朝となります。

 術後は歩いて回復室に移動。約10~15分間リクライニングチェアに座って安静にしてもらいます。問題がなければスタッフから術後の注意事項の案内をして、点眼薬や痛み止めなどを渡します。

 手術の翌日は必ず受診してもらい、医師が目の状態をチェックします。術後1週間程度は外出時には保護用メガネを、就寝時には保護用眼帯の装着をお願いしています。

 前記で手術時間の目安を書きましたが、「うちのレーシックの手術時間は早いですよ、5分程度です」といったように、早さをうたい文句とするようなクリニックには気をつけてください。

 手術時間は早ければいいというものではありません。私はレーシック手術を25年以上行っていますが、5分程度で終わるはずがないんです。

 手術中は患者さんの目を顕微鏡でしっかりと見ながら、術後にきれいに見えるためにシワひとつ残さないように丁寧に仕上げていきます。そうしていると5分では済まない。

 患者さんの術後の目のためには、丁寧すぎるぐらいでちょうどいい。患者さんにとっては、一生に一度の手術ですし、手術のあとはその目でずっと生活していくのですから。私はそう考えています。

 よく聞かれるのが「手術前には、眼球に麻酔の注射を打つんですか」というもの。答えはノーです。

 レーシックや白内障治療で眼内レンズを入れる際もそうですが、手術の際の麻酔は点眼薬です。手術中の患者さんは意識もありますし、私たち医師や看護師の声も聞こえます。 

 手術中に痛みを感じることはなく、唯一患者さんに頑張っていただくのは頭を動かさないようにしてもらうことぐらいでしょうか。あまり緊張しすぎず、我々に任せてリラックスしていただくのが一番です。

 手術中の緊張がとても強い患者さんには「今日の夜ご飯はなにを食べようか、とかをボーッと考えてみてください」とお話しすることもあるくらいです。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください