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粗食はむしろ不健康!?…“若さ”を維持したいなら「ヤキトリ屋で外食」が有効なワケ【東大医学部卒の医師が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年2月29日 12時0分

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「おいしく」「楽しく」が心身に好影響。見た目の若さも美食で叶う? 『60代からの見た目の壁』(株式会社エクスナレッジ)の著者で医師の和田秀樹氏が解説します。いくつになっても若々しさを保つための「食べ物」「食べ方」をみていきましょう。

「食物繊維」と「抗酸化物質」でがんを防ぐ

日本はがんで死ぬ人が一番多い国です。がんの予防で重要なのは免疫力。そこで肉を食べて、免疫細胞の材料になるコレステロールを補うのが日本人にとっては大事なのです。

もう1つ、免疫力を上げるために大事なのが野菜です。野菜には食物繊維が含まれていますが、腸内細菌のエサになる食物繊維(水溶性食物繊維)は腸内環境を整えて、免疫力を上げる働きがあるとされています。

免疫細胞の約70%は腸に集まっているといわれていて、腸内環境が整うと免疫細胞が活性化します。そこで、野菜の食物繊維を摂ることがすすめられているのです。

なお、食物繊維は野菜だけでなく、きのこ類や海藻類にも含まれています。これらを副菜として摂ることで免疫力が高まります。

野菜の中には、がんの予防に役立つもう1つの成分を含むものがあります。それがトマトやピーマンなどの濃い色の野菜に含まれる色素の成分です。

トマトの赤色やピーマンの緑色には、野菜を紫外線から守るための抗酸化物質が含まれています。

ヒトも過剰な紫外線を浴びるのはよくないとされていますが、それは紫外線によって皮膚などが酸化されるからです。紫外線による皮膚の酸化は、皮膚がんのリスクを高めるので、紫外線対策が必要なのです。

酸化は体の中でも起こっていて、細胞が酸化すると遺伝子が傷つけられ、前述したミスコピーが起こりやすくなって、がんのリスクが高まります。

これを防ぐために、ヒトの体には酸化を元に戻す(還元する)酵素などがつくられているのですが、年齢とともにその量は少なくなります。

これを補う成分で、抗酸化作用が強いといわれているのが、野菜に含まれる抗酸化物質です。よく野菜は体によいといわれますが、がんが多い日本人にとって、野菜を食べる意義はここにあるのです。

ただ、“健康至上主義者”は極端な方向に走りがちです。野菜ががんを予防するといわれると、肉を減らして野菜を中心にしてしまう人が多いのです。

肉に含まれるコレステロールも免疫を高めるのですから、まずはメインの食材である肉や魚をしっかり摂ることが重要です。野菜は副菜として摂れば十分なので、そのことを忘れないようにしてください。

筆者が「外食」をすすめる合理的な理由

健康至上主義の人たちが考える「粗食」は単調になりがちです。肉や油の少ない食事を中心にしようとすると、食べられる食品が少なくなるので、献立のバリエーションに変化がなくなります。

「肉は体に悪いから食べない」とか、「天ぷらは油を使うから食べない」と消去法でばかりメニューを考えていると、朝はごはんにみそ汁、納豆、漬けもの。昼はそばかうどん。夜は焼き魚と野菜の煮物。といったメニューの繰り返しになってしまうような気がします。

これはどういうことかというと、食事のメニューにだんだん変化がなくなってくるということです。

しかも、大事なたんぱく質も足りていません。それが見た目年齢を老けさせる大きな要因であることは、これまで述べてきました。

ここから抜け出すには、健康至上主義をやめる。つまり粗食をやめて、肉なども積極的に摂ることが大事なわけですが、それでも自宅で食べる料理のバリエーションは、それほど広がるものではありません。肉をしっかり食べている家庭ですら、食卓に上るメニューは、何種類かの料理のローテーション、あるいは組み合わせの違いだけの変化になっているのが普通でしょう。

家庭で料理をつくるのが女性であれ男性であれ、プロの料理人ではないのですから、つくれる料理の種類は限られます。つまり栄養も偏ってくる可能性があるわけです。

老年医学の立場から言わせていただくと、年をとるほど多種類の食品から栄養を摂ったほうがよいと思います。そこで、おすすめしたいのが外食の活用です。

例えば、自宅で鶏肉を食べるとしたら、普段食べる部位はもも肉かむね肉、豚や牛も肉は食べても内臓までは食べません。

でもヤキトリ屋に行けば、鶏のあらゆる部位の肉が食べられますし、内臓も食べられます。焼き肉屋で食べられる各種内臓は、普通の人は入手が難しいので、店でしか食べられません。それに最近の焼き肉屋は豚肉もメニューにあるので、1つの店でいろんな種類の肉が食べられます。

ちなみに、牛や豚の内臓には、肌の材料にもなるコラーゲンがたっぷり含まれているので、見た目にもよいと思います。

魚も自宅で食べるとなれば、まぐろの刺身か干物を含む焼き魚くらいでしょう。でも寿司屋に行けば、普段口にすることのない、いろんな種類の魚介類が食べられます。

このように、多種類の食べものをちょっとずつ食べると、不足しがちな栄養素を補うことができるのです。

また、外食で普段食べないものを食べれば、自宅で料理をつくるときのヒントにもなります。つまり、外食に行くことで自宅の料理のバリエーションも増やせるのです。

お酒は1人より誰かと一緒に飲む

お酒が好きな人なら、ヤキトリ屋などの居酒屋で飲みましょう。肉が中心の居酒屋なら、たんぱく質もしっかり摂れます。

それに、自宅で飲むより、外で飲んだほうが楽しく飲むことができます。自宅で飲むと、会話もそれほどないので脳への刺激になりませんし、そのまま寝てしまえるので、ついつい飲みすぎてしまう危険があります。

1人暮らしなら、飲みすぎを止めてくれる人もいませんし、会話もまったくありません。社会から孤立する危険もあります。

社会から孤立すると、外出も少なくなるので、筋力をはじめ体の機能が低下します。また孤立によって人と話す機会が極端に減ると認知症のリスクも高まります。

逆に外で飲めば、店の人やお客さんとの会話が生まれます。居酒屋でしゃべるのが苦手という人も、常連客の話が聞こえてくるので、脳への刺激になります。そもそも、居酒屋の居心地のよさというものは、いろんな人たちの会話が飛び交う賑やかさにあると思うので、そこに参加しているという気持ちが大事なのです。

でもどうせ居酒屋に行くなら、友人などに声をかけて、人と一緒に飲むほうが会話も弾みますし、いろんな会話ができるので、脳の老化予防にもなります。

お酒を飲むと本音が出るので、気のおけない友人の前なら、普段話せないことを話せるかもしれません。

そして、外で飲むときは、たとえ近所の居酒屋でも、きちんとしたかっこうで行くべきです。外出時におしゃれをするというのは、見た目年齢を若くする鉄則です。

お店の人もそういうところはよく見ています。身なりがきちんとしているお客さんは、お店の人や、ほかのお客さんにも安心感を与えます。

とくに初めてのお店でも、好感度がアップするようなおしゃれをして出かければ、お店やお客さんが受けて入れてくれるので、気持ちよく飲めますし、何度か通っているうちに常連として認めてもらえるでしょう。

和田 秀樹 医師

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