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学費だけじゃない!受験生の親は知っておきたい「進学費用」…<東京大学>に自分の子どもを3人入れた塾講師が解説

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年2月29日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもを大学に入れる際、やはり気になるのはお金のこと。学費だけではなく、塾の受講料や受験当日の宿泊代など、実は入学前にもいろいろな場面でお金が必要となってきます。大学入試までにかかる費用と対策について、著書『東京大学に3人の子どもを入れた 強い脳をつくる育て方――いつからでも、才能は伸ばせる!』(自由国民社)より、高木美保氏が解説します。

入試までにかかる費用

大学入試までにかかる費用については、個人差、あるいは家庭差が大きいと思います。文部科学省の学習調査(平成30年)による学校種別の学習費総額「平成30年度学校基本統計(学校基本調査報告書)」を参考にしてください。

公立か私立かによって、かなりの差があることがおわかりいただけると思います。学校以外つまり学習塾や家庭教師などの「補助学習費」は、表のようになります。

・公立小学校の場合:約8万

・私立小学校の場合:約35万

私立小学校に通わせる家庭は、公立小学校に通わせる家庭の4倍ほどお金をかけています。学年が上がると、

・公立中学校の場合:約24万

・私立中学校の場合:約22万

・公立高校の場合:約15万円

・私立高校の場合:約20万円

となり、私立と公立で小学校ほどは差がありません。

このことから私立の小学校に通わせる家庭は、経済的に余裕があり、かつ教育熱心な家庭であることがうかがえます。

ただし、これは平均値です。高校にはほとんどの人が進学しますので、中学では塾に通う人が多く、平均値が上がってきますが、高校では進学校でなければ塾に通いません。0円の家庭も多いことを考えると、高校の「塾や家庭教師にお金をかけている家庭」だけの平均は、もっと高いと思われます。

実際、予備校や塾に通っている高校生に聞くと、月7〜8万とか、年間一括払いの場合は100万前後でローンを組んだので途中で辞められないとか。進学校に通い大学受験をめざす人達は、文科省の平均値よりかなり費用がかかっていると思います。

高木家の事例

長男と次男は公立小学校から金沢大学附属中学校を受験しました。長男も次男も、小6の時から私の学習塾の小6クラスで勉強しました。次男は受験前2カ月だけ、大手の塾の「附属受験」コースに通い、料金は当時で月3万円強でした。中学時代は3人とも、私の教室のクラスに入って勉強していました。

大学受験は、長男はZ会の通信教材のみ。東大コースで1講座年間6万円くらいです。一括払いだと月払いより15%安くなるので、一括払いにしていました。

次男は編入試験向けの模試を実施している予備校が金沢にはないため、ネットで探し、2〜3回自宅で模試を受けました。それ以外は基本独学でしたので、費用はほぼかかっていません。参考書類は、アマゾンやメルカリで古本を購入して自分に合ったものを選んでいたので、かなり安く入手できました。

長女は長男と同じくZ会の東大コースを受講。数学が苦手だったので1年間数学の個人塾に通いました。塾の月謝は月4万3,000円だったので、我が家としてはかなり大変でした。現役合格できず浪人しましたが、成績優秀者として予備校の学費(入学金10万円、年間授業料54万円)は免除され、とても助かりました。夏期講習・冬期講習・教材費はもちろん別です。これでも地方の予備校だから安い方です。

ちなみに駿台予備校や河合塾は浪人生の入学金が10万円、東大・京大クラスは年間の授業料が85万円前後。金沢には駿台も河合塾もないので、東大や医学部志望者の中には、東京や京都の予備校に行く人も少なくありません。その場合は予備校指定寮に入る人が多く、朝食・夕食付きで管理費なども入れると寮費が年間200万円ほどかかります。大変な金額です。我が家ではとても出せません。(2023年)

浪人時代にかかった費用は、教材費と夏期・冬期講習代で合計40万円ほどで、高3の冬におりた学資保険でまかないました。

油断は禁物!意外とかかる「模試の検定料」

大学入試向けの模試は、8,000円前後。学校が一括で申し込んで全員参加の高校が多いです。高校によりますが、年に5〜6回は受けるでしょうか。

共通テストに模したマーク式と、私立大学、国立2次の個別試験向けの記述式があります。さらに、個人で申し込む大学別の模試、いわゆる冠模試もあります。東大模試とか京大模試などといった大学名のついた難関大学向けの模試です。

これは年に2〜3回。駿台や河合塾といった予備校が主催していて、本番に似た形式の問題が出されます。高校受験と違い、大学受験は全国での自分の位置が必要なので、模試は必須です。この模試代も、回数を受けると結構な金額になるので要注意です。

東大入試にかかった費用

東大は国立大学ですから、検定料はほかの国立大学と同じです。2023年現在、共通テストが1万8,000円、2次試験が1万7,000円です。2次試験の受験料に関しては、一橋大学のように経済状況によって免除になる大学もありますが、東大には検定料の免除制度はありません。

地方から受験する場合は、プラス交通費と宿泊費がかかります。住んでいる場所によってはかなり交通費がかかり、検定料よりこちらの方が断然出費がかさみます。

受験生のホテル予約事情

東大は、文系受験者は駒場キャンパス、理系受験者は本郷キャンパスが会場です。駒場キャンパス付近にはホテルがないので、文系受験生の多くは渋谷に宿泊します。

駒場キャンパスは、井の頭線で渋谷から各駅停車2駅「駒場東大前」下車、駅前がキャンパスの正門となっています。多くのホテルがある渋谷駅付近に宿泊すれば、受験会場まですぐです。理系受験生は、本郷や後楽園あたりで宿泊します。

ここでホテル予約について少し気を付けた方がよいことがあります。それは、東大受験生の保護者はホテル予約が早い、ということです。検定料や受験日程などは、国立大学ですから他大学と同じですが、1つだけ大きく違う点がここです。

地方国立大学を受験する受験生は、志望大学はあっても、多くの場合は共通テストの出来具合を見て2次を出願、つまり受験する大学を最終的に決めます。ですから、出願する大学を決めた後、1月末から2月頭にホテルを予約します。

ですが、東大を受験する人の多くは、早くから「東大を受ける」と決めているので、受験生の保護者の方は夏頃ホテルを予約します。渋谷駅近くの東大文系受験生御用達の大きなホテルは、受験の1年前から予約する人もいるそうです。

ホテルの予約事例

長男の受験の時は北陸新幹線開通前でしたので、往復の飛行機代とホテルがセットになったお得なパックで渋谷駅近くのホテルをとりました。航空会社の出しているパックの中には、ホテル代がほとんどかからないような破格なパックもありますので、ネットで調べて探すとよいと思います。

次男と長女の時は、北陸新幹線開通後で金沢から「かがやき」で東京まで2時間半です。新幹線のチケットは、乗車1カ月前に「早割り」のような枚数制限のある安いチケットを売り出します。それをゲットするために、発売1カ月前の午前10時前にネットの前でスタンバイ。常時やっているとは限りませんが、正規の料金の30%オフなどもあり、新幹線を利用される場合は事前にチェックしておくとよいと思います。

次男は本郷キャンパス正門近くのホテル、長女は現役の時は長男と同じホテル、浪人のときは渋谷駅井の頭線ホーム直結のホテルでした。

地方からの受験生が気を付けておきたいこと

また地方から上京して受験する場合、朝のラッシュや交通の便などが全くわからないため、受験の前々日に行くとよいです。「受験日の前日に、当日と同じ時間にホテルを出て、電車に乗り大学まで行く」というシミュレーションをするのです。

地方在住だと、土地勘がない上、人ごみや乗り換えなどに慣れていませんから、当日まごつくと焦ってしまいます。余裕をもって受験会場に入れるよう、前日の同じ時間に同じ行動をしておくのです。長男も一緒に受験した友人も、長女も、前々日に行きました。次男は徒歩圏内のホテルでしたので前泊のみ、編入試験は1日だけです。

ですが東大の2次は丸2日ありますので、前々泊すると3泊となり、宿泊代はかかりました。「ここ1番の大事なときだから」と奮発しました。

受験に関しては、1番費用がかかったのがホテル代、次に交通費、そして検定料ということになります。ホテル代や交通費に関しては、少しでも安くしようと、ネットで調べまくったのはいうまでもありません。

色々探すと、同じホテルでもサイトやプランによって料金が違うこともあります。また旅行会社が出している、新幹線とホテルがセットになったお得なプランもあります。少しでも金額を抑えたいと思ったら、手間を惜しまず調べることが大切かなと思います。

高木 美保

学習塾・スクールオーク代表

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