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前回の調査ではそんなこと言われなかったぞ!…税務調査で「決して言ってはいけない」NGワード【税理士が警告】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月17日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

ある日、突然やってくる「税務調査」の通知。後ろめたいことがある人もない人も、税務調査を望んで受けたいという人はいないでしょう。調査の現場では、調査官からの鋭い質問に対して、よけいな一言を言ってしまったために失敗してしまうケースも……そこで今回、多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が、税務調査を“無難にやり過ごす”ため、調査当日の流れと、調査官に対して「決して言ってはいけない」NGワードを紹介します。

そもそも「税務調査」とは?

税務調査とは、納税者から提出された申告書が適正に作成されているか確認する調査のことです。日本は申告納税制度を採用しているため、基本的に自分の申告書は自分で作成して提出しなければなりません。その提出された申告書のなかから税務調査の対象先が選ばれ、税務調査が行なわれることとなります。

税務調査といっても、急に税務調査官が乗り込んでくることは一般的にはありません。裁判所の令状を得た、いわゆるマルサが行う悪質と判断された強制捜査を除けば、通常は一般的な任意調査となります。

一般調査は納税者の同意に基づいて行われる調査となります。ただし、税務職員には「質問検査権」が与えられているため、正当な理由なく答えなかったり、資料の開示を拒んだりすることはできません。

一般調査の対象となると、事前に税務著から連絡が入ります。顧問税理士がついている場合は、税理士に連絡が入ります。まずそこで税務調査の日程を打ち合わせることとなりますが、都合が悪い場合は日程の変更が可能です。税務署と税理士と都合の良い日程の打ち合わせをしましょう。

また、税理士がついていない場合は自分ひとりで税務署に対応することとなります。しかしできれば、調査の立ち合いだけでも税理士に依頼したほうがよいでしょう。税理士が立ち会わず納税者ひとりで対応した場合、税務署の指摘に対し適切な反論ができず、かなり一方的に追徴税額をとられる可能性が高くなるためです。

「税務調査」当日のながれ

税務調査当日、調査官は10時ぐらいに2名ぐらいでやってきます。

お昼の1時間の後、午後は1時から4時ぐらいまで行われます。1日で終了する場合と、もっと内容を確認したい場合は2~3日行われる場合があります。

税務調査は税務署のほうでも、事前に提出された申告書について下調べをしており、取引先などの反面調査を行っている場合もあるため、ある程度内情を把握しています。安易な嘘をつくとバレてしまいますし、他にもいろいろ嘘をついているのではないかと、心証が著しく悪くなってしまうため、まずは正直な対応を心掛けるようにしてください。

また、敵対的な対応もやめたほうがよいです。必要以上に攻撃的な対応をとると、向こうも人間ですので感情的になり余計な指摘を受けたり、税務調査が長引くなど、逆効果になります。

税務調査で「決して言ってはいけない」3つのNGワード

では税務調査で言ってはいけないNGワ-ドとはどんなことでしょうか?

①前回の調査ではそんなこと言われなかったぞ!

このセリフ、つい言いたくなる気持ちはわかります。しかし、前回指摘を受けなかったからといっても認められたというわけではありません。

税務調査は限られた時間で行うため気づかなかったということもありますし、気づいても金額が大したことなかったから見逃したということもあります。

このセリフがきっかけとなり、「では前回までさかのぼって直しますか?」と言われる事態にもつながりかねないため、絶対にNGです。

②他の会社もみんなやっているぞ!

社長ともなるといろんな会社や人に会い「ウチはこうやっているけどなにも言われたことないよ」などと聞き、その方法を真似ていることもあるかも知れません。しかし、その会社は「まだ税務調査に入られてないだけ」という可能性は十分にあります。

調査官に「では、そうやっている会社を教えてください」と突っ込まれる可能性もあるため、注意しましょう。

③すべて経理と税理士に任せているので俺は聞かれてもよくわからない!

このセリフもありがちかもしれません。ただこれを言われてしまうと、経理も税理士もやる気が一気になくなってしまいます。

たとえ任せていても最終責任は経営者がとらなければいけません。また、経理処理や税務処理などの最終決定は経営者が行います。勝手に経理や税理士が行うわけではないため、経営者は細かい経理処理までともかく、税務調査で問題になりそうな会計処理については自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

税務調査中は“雑談”にも要注意!

税務調査というと、こわもての調査官が来て、いろいろと怖い思いをするのではないかと思う人もいるでしょう。しかし、税務調査といって言っても、すぐに「あれを見せろ」「これはどうか」などとは聞きません。

実際、税務調査は多くの場合、ゆるやかな雑談から始まります。調査官には印象が良く、さらに聞き上手という、いわゆる“コミュニケーション上手な人”も多いです。そこで、ついつい雑談が盛り上がってしまう、というケースも少なからずあります。

しかし、これは要注意。税務調査官の雑談にはそれぞれ意味があるため、この雑談から申告漏れの指摘を受けることも多いのです。税務調査は、基本的に「聞かれたことにだけシンプルに答える」ことを徹底してください。

お金のかかる趣味をもってそうだなとか、部屋にあるカレンダ-の金融機関と取引があるのかなとか、高級車に乗っているなとか、調査官はさまざまなことをさりげなく見ています。

あとは、調査の際、調査官に聞かれてわからないことをあいまいに返したり、適当に断言したりするのはやめましょう。わからないときは、「すぐに思い出せないので、後で確認しておきます」と答えてください。人間ですので、すぐに思い出せないこともあります。調べてきちんと回答するほうが心証がよくなります。

税務調査は「例年と大きく違う」と対象になりやすい

いかがでしたか? 税務調査と聞くと、慣れていないためついつい身構えてしまいますが、適切な対応を心がければ、特に怖がる必要もありません。税務調査の連絡がきたら、落ち着いてしかるべき準備をし、スム-スに終了するように適切な対応をこころがけるようにしましょう。

税務署が税務調査の対象とするのは、申告書を見て、なにか問題がありそうだと感じた先です。たとえば、売り上げが突然大きく伸びた、交際費や外注費が突然大きくなった、など。例年と違うことがある場合、調査を受けやすくなります。

法人であれば概況書や、個人であれば特殊事項欄などに、例年となぜ違うのかという点を補足説明しておくと、税務調査にまでいたらない、ということは少なからずあります。税務署に誤解を与えない、わかりやすい申告書の作成を心がけることを意識するとよいでしょう。

宮路 幸人

多賀谷会計事務所

税理士/CFP

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