世界遺産の町、リトアニアの首都・ヴィリニュスで見るべき美しい教会6選
GOTRIP! / 2017年10月23日 11時30分
旧市街がまるごと世界遺産に登録されている、リトアニアの首都・ヴィリニュス。
「バルト三国」と呼ばれるエストニア・ラトビア・リトアニアのうち、最も南に位置するリトアニアは、とりわけ敬虔なカトリック教徒が多い国です。
世界遺産の町・ヴィリニュスには、狭い範囲に驚くほど数多くの教会が並んでいて、「ヴィリニュス観光=教会めぐり」といっても過言ではありません。ヴィリニュスに数ある教会のなかでも特に見ごたえのある6つの教会をご紹介しましょう。
・大聖堂
ヴィリニュスのシンボル的存在の主教座教会。ギリシア神殿を思わせる白亜の外観と、大きな鐘楼が印象的です。
もともとこの地には雷(ペルクーナス)を祀る神殿があったといわれていて、最初の教会が建てられたのは13世紀、ミンダウガス王の時代のことでした。その後、破壊や再建、増改築が行われ、現在のクラシック様式の建物は18世紀に行われた大改築によるものです。
内部はいくつものスペースに分かれており、最大の見どころは17世紀のバロック様式で造られた聖カジミエルの礼拝所。8体の王の像や漆喰彫刻、フレスコ画などで飾られた壮麗な空間は圧巻です。
・夜明けの門
ヴィリニュス旧市街の南の入口となる、夜明けの門の上に設けられた礼拝所。
小さな礼拝所ながら、奇跡を起こす力があると信じられている聖母のイコンは、リトアニアの人々の熱烈な信仰を集めていて、周囲の壁には人々の願いがこもった無数の銀細工が飾られています。
混じりけのない信仰心が生み出す、かすかな物音を立てることすらはばかられるような神聖な空気に圧倒されずにはいられません。
・聖ヨハネ(ヨノ)教会
ヴィリニュス大学の敷地内にある教会で、1387年に建設が始められ、18世紀に大学の教会となりました。現在のバロック様式の姿は、1737年の火災後の改装によるものです。
本堂の東側にある18世紀の祭壇は、10の独立した祭壇が折り重なって1つの祭壇に見える複合的な構造をしており、「視覚的音楽」とも称されています。
10の祭壇が次々にたたみかけてくるかのようなドラマティックな感覚は、実際にここを訪れた人にしかわかりません。
・聖アンナ教会
15世紀末に建てられた、ヴィリニュスを代表する後期ゴシック様式の教会。建設には33種類もの形の異なるレンガが使われており、その美しさからフランボワイアンゴシック建築の傑作とたたえられています。
1812年、ヴィリニュスに入城した際にこの教会を見たナポレオンが「わが手に収めてフランスに持ち帰りたい」と言ったのは有名なエピソード。燃え上がる炎のようでもあり、成長する樹木のようでもある、どこか大地のエネルギーを感じさせる躍動的な姿から目が離せません。
・精霊教会
ヴィリニュスの町を彩るのはカトリック教会ばかりではありません。精霊教会はリトアニアにおけるロシア正教の中心的存在。
しかし、その建物はヴィリニュスでよく見られるバロック様式で建てられていて、本国にあるロシア正教の教会とは趣の異なるユニークな教会です。
色とりどりの装飾やイコンで覆われたカラフルな内部の祭壇前には、1347年に殉死した3人の聖人の遺体が安置されています。治癒の力があると信じられている遺体に向かって、信者たちが熱心に祈りを捧げる光景は神秘的。
・聖ペテロ・パウロ教会
大聖堂から川沿いを東に進んだところにある教会。観光の中心部からはやや離れているものの、わざわざ足を運ぶ価値のある教会です。
数多くのバロック様式の建築物を擁するヴィリニュスのなかでも記念碑的な存在で、その美しさから「リトアニアバロックの真珠」とうたわれています。
そのわけは、内部を埋め尽くす2000以上の漆喰彫刻。ここにある彫刻は一つとして同じものはないといわれていて、その精巧さと多彩さにただただ息を呑むばかりです。
ヴィリニュスが歩んできた歴史を体現する教会の数々。これらは、観光スポットである以前に今も変わらない人々の信仰の場であるからこそ、いっそう清らかで美しく感じられるのでしょう。
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