大相撲初場所で「大谷懸賞タイム」顔入りの旗で全１５日間登場見込み 由伸に今永、誠也もプリント…ＭＬＢ開幕シリーズＰＲ

大相撲初場所で、３月開催のＭＬＢ東京シリーズの宣伝のため懸賞旗が登場する（提供写真）

　大谷が土俵に上がる！　ドジャース・大谷翔平投手（３０）らがプリントされた懸賞旗が、大相撲初場所（１２日初日、東京・両国国技館）に登場することが１０日、分かった。３月１８、１９日に東京Ｄで開催されるドジャース―カブスのＭＬＢ開幕シリーズと、同１５、１６日に両球団が巨人、阪神と対戦するプレシーズンゲームの宣伝のため、大谷だけでなく、ドジャース・山本由伸投手（２６）、カブス・今永昇太投手（３１）、鈴木誠也外野手（３０）らも描かれている。

　大谷が国技の聖地に“初登場”する。３月に凱旋するドジャースＶＳカブスの開幕シリーズのＰＲのため、大相撲の懸賞旗に大谷がプリントされた。大会主催者として懸賞を申し込んだのは読売新聞東京本社で、全１５日間登場する見込み。指定された取組前に呼び出しが３つの懸賞旗を持って同時に土俵を一周。場内放送でも読み上げられ、大相撲の舞台で野球がＰＲされることになる。

　懸賞は主に企業のＰＲに使われることが多く、大谷のように懸賞旗に人が登場することは珍しい。１３年１１月の九州場所では、コンサートツアーのため来日し、５日目に観戦した元ビートルズのポール・マッカートニーが１２日目から懸賞を出し、新作アルバム「ＮＥＷ」を宣伝。また、２１年１１月の九州場所、２２年１月の初場所では人気アニメ「ポケットモンスター」のキャラクター「ピカチュウ」などをプリントした懸賞旗が登場したことがあった。

　１本７万円で原則として誰でも懸けることができる大相撲の懸賞。勝った力士に、手数料（１万円）を除いた６万円が渡される（懸賞袋に入るのは３万円、残りは引退後の支払い）ことになる。昨年９月の秋場所では、懸賞総数が１５日間で史上最高の２４５５本。旗の制作は懸賞主の負担となるが、大谷、山本、今永、鈴木ら３月に凱旋するメジャーリーガーがプリントされた懸賞旗が登場した取組で勝った力士には、うれしい“お年玉”となる。

　日本ではイチローの引退試合となった１９年のマリナーズ―アスレチックス戦以来、６年ぶりとなるＭＬＢの公式戦開催。昨季ＭＶＰに輝いた大谷にとっては、侍ジャパンのユニホームを着た２３年３月のＷＢＣ、練習試合以外で日本でプレーするのは初めてとなる。大谷は日本での試合決定直後から「もちろん特別になると思いますし、日本の野球ファンの人にとっても特別じゃないかなと思います」と心待ちにしている。２３年９月に右肘、２４年１１月に左肩の手術を受け、投手復帰は難しそうだが、３年連続ＭＶＰ、「もちろん、連覇をしたいというのが一番」と最大の目標に掲げるワールドシリーズ連覇へ、気合十分で迎える舞台だ。

　巨人、阪神と対戦するプレシーズンゲームを含め、ローソンチケット１次先行販売も１０日に始まった。ドジャース２年目、メジャー８年目を迎える大谷の２５年は、土俵から“スタート”する。

　◆大相撲の懸賞　幕内取組に限り、民間企業や力士の後援団体などが懸賞金を提供し、日本相撲協会に申し込んで懸ける。企業が選んだ取組に懸けることができる。平安時代の相撲節（すまいのせち）で、勝者に衣類や米などが贈られたことが起源とされる。スポンサーの社名や商品名が染め抜かれた幅７０センチ、長さ１２０センチの懸賞旗を呼び出しが取組前に掲げて土俵を一周。取組に勝った力士は、行司が軍配に載せて差し出す懸賞金を手刀で切って受け取る。現在は懸賞１本あたり７万円で、力士の手取りが３万円。

　◆過去の主なユニーク懸賞　１３年九州場所では元ビートルズの歌手・マッカートニーがアルバム「ＮＥＷ」をＰＲする図柄で話題を呼んだ。１６年名古屋場所ではプロ野球・中日の球団創設８０周年を記念して球団ロゴが登場。２１年九州、２２年初場所では「ポケットモンスター」とのコラボで、ピカチュウや張り手が得意なハリテヤマなどが懸賞旗に描かれた。２３年秋場所ではＥＸＩＬＥらが所属する芸能事務所「ＬＤＨ　ＪＡＰＡＮ」から懸賞が出された。

　〇…ドジャースが本拠地を置くロサンゼルスの一部では大規模な山火事が発生し、多くの住民が避難を余儀なくされている。現時点でドジャースタジアムには大きな影響がないもようだが、年明けにＳＮＳで拡散された大谷がキャッチボールをした動画を撮影したとみられる高校のグラウンドから５キロほどの場所にも火の手が及んでいる。強風などの影響で被害は拡大するばかり。ロサンゼルスに滞在しているとみられる大谷への影響も心配される。