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GoPro「凋落」の理由、華々しいスタートアップの紆余曲折を振り返る 大きな分岐点は8年前に

ITmedia NEWS / 2024年10月2日 12時13分

 だがGoPro一人勝ちの状況は長くなった。19年にはDJIがまさにGoProスタイルそのままの「Osmo Action」をリリースしてきた。すでにDJIはドローン専門メーカーではなく、小型ジンバルカメラの「Osmo」や「DJI Pocket」をモノにした、カメラメーカーへと成長していたが、今さらジンバルなしでGoProと競合しても勝てるのか? という疑問も残った。

 Insta360も、親指大のウェアラブルカメラ「Insta360 GO」をリリースした。直球でGoProと同じ形ではないが、マーケットはかなり近い。確実にGoProの牙城を削りに来た格好だった。

 19年にGoProは、2つの製品をリリースした。「HERO8 Black」は5から7までずっと同じだったボディーを刷新し、「モジュラー」と呼ばれる周辺機器と合体して機能拡張できる作りとした。このため、HDMI端子が本体からなくなり、モジュラーを別途購入しなければ映像出力が出せなくなった。これはネット中継でサブカメラや手元カメラとして利用してきたユーザーにとっては、GoProを見限る大きな理由となった。

 「GoPro MAX」は、Fusionに続く360度カメラである。小型化してディスプレイも付けるという格好で、要するに前後にカメラがあるGoProである。360度にこだわらず、前だけ、後ろだけでも記録できる。ただGoProの代わりとして使うには、出っ張ったレンズが破損の危険もあり、Fusion同様いったい誰向けなのか、マーケットがはっきりしない謎カメラであった。360度カメラはこれ以降登場していない。

 20年には、Insta360がGoProとストレートに競合する「Insta360 ONE R」をリリースした。カメラ、プロセッサ、バッテリーとモジュールごとに分解できるカメラだが、組み合わせればGoProスタイルになる。そもそもGoProマウントを備えている時点で、競合する気まんまんである。カメラモジュールを交換すれば360度カメラにもなり、FusionやMAXとも競合した。

 20年の「HERO9 Black」は、また新設計のボディーとなった。サブスクに加入すると本体が割引になるというキャンペーンを始めたのも、この頃である。要するにクラウドサービスで付加価値を付けるという差別化だ。カメラ的には前面ディスプレイがカラー化して自撮り対応するといった変化は見られるが、それはすでに「DJI Osmo Action」や「Insta360 ONE R」で実装されていた。

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