GoPro「凋落」の理由、華々しいスタートアップの紆余曲折を振り返る 大きな分岐点は8年前に
ITmedia NEWS / 2024年10月2日 12時13分
●スポーツに集中しすぎていたGoPro
Vlogをはじめとする自撮り文化は、冒頭で述べた「Flip Video」を発祥とする説がある。そこから連綿と続いてきたわけだが、YouTuberの台頭は12年ごろから始まり、セルフィーの世界的流行は13年から15年ぐらいである。GoPro自体はすでにこの頃から自分撮りに使われていたが、製品として自分を撮る、自分のしゃべりを集音するという行為に対する手当が、あまりにも遅すぎた。
DJIやInsta360のアクションカメラは、スポーツ撮りへの参入だけではない。自撮り市場も最初から押さえにかかっている。スポーツ撮影人口と自撮り人口を比較すれば、言うまでもなく自撮り人口の方がパイがデカい。別にスポーツで売れなくても構わないのである。このあたりが、スポーツイベントへの協賛などで巨額のマーケティング費を注ぎ込んできたGoProとの、決定的な違いとなった。
その後21年は、「Insta360 GO2」「DJI Action 2」「HERO10 Black」が競合した。22年には「Insta360 ONE RS」「DJI Osmo Action 3」「HERO11 Black」とが競合した。GoProは例年9月に新製品を出してくるのは分かっているので、その前に競合2社が製品を発売している。この年には「HERO11 Black Mini」という小型モデルを出しているが、ネタに困ると小型モデルを出すというのがGoPro定番の負けパターンとなっているのは、歴史が証明している。11 Miniは11と価格差が1万円しかないのに機能差が大きすぎるとして、ほとんど市場では受け入れられなかった。
23年には「Insta360 GO 3」が、親指カメラをディスプレイモジュールと合体されるとGoProスタイルになるという変貌を遂げた。DJIは「Osmo Action 4」で、一気に高画質方向へシフトした。GoProは「HERO12 Black」で対抗したが、すでにカメラ単体で勝てる要素は少なく、むしろ競合他社の後追いが目立つようになっていた。Bluetoothイヤフォンを接続してワイヤレスマイクにできる機能などは、すでに20年に「Insta360 ONE R」から実装されている。
また23年11月にはInsta360が、「Insta360 Ace」「Insta360 Ace Pro」と、分離合体しないGoProスタイルそのままのカメラを投入した。Ace Proはライカレンズを搭載し、8Kまで撮れる。もはや分離合体や360度のようなギミックを使わなくても、GoProに勝てると踏んだのだろう。
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