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GoPro「凋落」の理由、華々しいスタートアップの紆余曲折を振り返る 大きな分岐点は8年前に

ITmedia NEWS / 2024年10月2日 12時13分

 そして聞こえてきたのが、24年8月のGoPro 人員15%リストラのニュースである。すでにドローンや360度カメラといった不採算事業もなく、本丸のカメラで負け始めているという事に他ならない。

 24年はすでに「Insta360 GO 3S」が登場しており、DJIも「Osmo Action 5 Pro」をぶつけてきた。「HERO13 Black」は、NDフィルターやマクロ、超広角といった多彩なレンズモジュラーが使える事がウリだが、一番の目玉であるアナモルフィックレンズモジュラーだけ後日遅れて発売という肩透かしである。正直アクションカメラにNDフィルターが使えても、レンズに絞りがないのであんまり意味がない。シャッタースピードは遅くできるが、アクションを撮るのにわざわざシャッタースピードを遅くするということにどこまで意味を見いだせるのか、正直未知数だ。

 そしてまた小型モデルの登場である。いつもの負けパターンだ。しかもネーミングがただの「HERO」で、13と関係性を切っている。迷走しているといわれても仕方がないだろう。

 どこで道を間違えたのかは、一言で言うのは難しい。コンシューマー市場では拡がらないと判断し、プロ市場に進出したのは良かった。だがその後、スポーツに集中する余り、Vlog市場の広がりをつかむのが遅かったのか。DJIのまねをしてドローンに参入したのがいけなかったのか。あるいは360度カメラでInsta360を刺激したのがよくなかったのか。すくなくともこの2点で、両社が「やんのかステップ」に入ったと考えるのは、妥当なところだろう。

 Insta360がAce Proを、DJIがOsmo Action 5 Proをリリースし、プロレベルを強調してきている。今後も両社はどんどん上に向かうだろう。GoProもアナモルフィックレンズ対応で、ハイエンドプロ市場に色気を出しているが、ガチプロ市場で戦うべきなのか。

 個人的には逆に下のほう、知名度を生かしてシンプルな低価格路線に逃げるべきではないのかとも思う。GoProはそもそも、そういうカメラだったのだ。今回発売される小型低価格「HERO」が決定打にならなければ、身売りという事も再び検討に入ってくるだろう。

 その一方で、GoProが巨額のマーケティング費を投入してのスポーツ振興がなければ、米国発のストリートスポーツがきちんと競技化されることもなかっただろう。さらにそれらのスポーツのプロになる人達も、出てこなかったはずだ。これは1つの文化を確立させたということに他ならず、この功績は決して過小評価されるべきものではない。

 ただ15年近く事業をやってきて、これだけ業界を席巻しながらも他の事業の柱を作れなかったというところは、経営上の失策を指摘されても仕方がないところだろう。

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