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「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」は驚きの内蔵GPU性能に メモリ帯域が当初発表から“倍増”

ITmedia PC USER / 2024年9月5日 12時5分

 Pコアは「Lion Cove」(開発コード名)を4基搭載している。1基の物理コアで2つのスレッドを処理する「SMT(同時マルチスレッディング/ハイパースレッディング)」に非対応であることが、Lion Coveのホットトピックだ。

 そしてEコアは「Skymont」(開発コード名)を4基搭載する。EコアはSMT非対応だったので、この面での仕様的な変化はない。

 Lion CoveとSkymontのアーキテクチャ面の詳細な解説は拙著で説明済みなので省くが、ざっくり言うと「PコアをSMT対応させるよりも、非対応とすることで浮くトランジスタや消費電力の“予算”を活用してEコアを増やした方が消費電力当たりのパフォーマンス(ワッパ)がいいんじゃない?」という設計方針を採っている。

 そもそもSMTは、1基のコアでシングルスレッドを実行した際に余剰となる演算器を使わせるための機能だ。物理コアが2コアに“分身”する訳ではない。元々のシングルスレッド性能の高いIntelのCPUアーキテクチャでは、IPC(クロック当たりの処理命令数)の向上を突き詰めていくにつれて「SMTのうまみ」が生かしづらくなったということなのだろう。

 下に掲載する図は、Intelが自社で調べた「Lunar Lake対Meteor Lake」のパフォーマンス比較だ。

 パッケージの消費電力を「17W」にそろえて比較すると、Lunar Lakeは、Meteor Lake(シリーズ1)の16コア22スレッドモデル(Pコア6基12スレッド+Eコア8基8スレッド+LP Eコア2基2スレッド)よりも性能が良いのだという。これが「23W以上」となると、さすがにMeteor Lakeが逆転するのだが、差はわずか6%しかない。

 仮定の話だが、Lunar Lakeにより多くのCPUコア(12基くらい)を搭載する構成があったとしたら、23W以上における逆転を許さないだろう。

 次のグラフは、今回発表された中で最上位となる「Core Ultra 9 288V」の性能を、同じ30Wクラスの競合CPUと比べたクラフだ。具体的には、AMDの「Ryzen AI 9 HX 370」と、Qualcommの「Snapdragon X Elite X1E-80-100」と比べている。

 8コア8スレッドのCPUでありながら、Core Ultra 9 288Vは消費電力対性能において12コア24スレッドのRyzen AI 9 HX 370に“肉迫”する――Intelはこれでもかと、この点を強調していた。そしてSnapdragon X Elite X1E-80-100については、性能の割に消費電力が大きすぎる例として出したのだろう。

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