【大予測:メディア(新聞)】伝統メディアが反転攻勢に
Japan In-depth / 2017年1月4日 21時21分
安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)
「編集長の眼」
新聞の凋落が止まらない。新聞を購読している大学生の割合は約22%という数字もあるが(「若者の新聞離れ」は本当? 新聞を購読している一人暮らし大学生は約◯割! マイナビ調べ 2016年6月19日)、この数字は就活生も入っていると思われ、実際にキャンパスで学部生(1~2年生)と触れ合っていると実感としてもっと少ないような気がする。そもそも、通勤電車の中で新聞を広げている人をほとんど見かけなくなってしまった。電子版を読んでいるご仁もあろうが、スマホ画面を覗くと、ゲームをやっているサラリーマンも結構見かけるのでその数がそう多いとも思えない。
実際の発行部数を見れば一目瞭然だ。ピークは1997年の5,377万部。その後一貫して減り続け、2016年は4,327万部で、およそ20年で2割近く減っている。(「新聞の発行部数と世帯数の推移」新聞協会調べ)
若い世代が新聞を購読しない理由として、先のマイナビの調査によると、「高いから」といった金銭的な理由はともかくとして、新聞にとってより深刻なのは、「ネットやTVのニュースで事足りる」とか、「スマホで十分」などといった理由だろう。
冷静に考えれば、Yahoo!ニュース、Googleニュース、SmartNews, Gunosy, NewsPicks, Antenna、LINE NEWSなど、私たちがスマホのアプリメインで日常的に読んでいる記事はほとんどが伝統(既存)メディア、つまり新聞、通信社、テレビの記事なので、新聞を購読していなくても新聞記事を読んでいる事に何の変わりもないのだ。ただ、新聞にとって毎月購読料を読者から頂く、というこれまでのビジネスモデルが崩れつつある、ということだ。
こうした状況下、新聞各社はただ手をこまねいてきたわけではない。電子版で独り勝ちなのは日本経済新聞。日本を代表する経済紙としてのブランドから既に320万人超(内、有料会員約48万人)の電子版登録者を確保し(「日経電子版会員数・属性」2016年2月1日現在 日本経済新聞社調べ、並びにプレスリリース 2016年9月28日 による)、一人気を吐いている。朝日新聞はデジタル会員登録者数230万人超(内、有料会員30万人に迫る)で、日経を追っている。(「【2016年年頭あいさつ】朝日新聞社・渡辺雅隆社長 文化通信より」。ついで毎日新聞(デジタル無料会員登録者数約64万人・有料会員数非公開 DIGIDAY「オーディエンスファーストで読者の居場所にいち早く」:毎日新聞デジタル担当取締役 小川 一氏 2016年3月10日)、産経新聞(産経新聞iPhone版とAndroid版アプリ総ダウンロード数650万超、(2016年4月現在 産経デジタル調べ)と続く。読売新聞はデータを公表していない。
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