東京ユアコインって何? 東京都長期ビジョンを読み解く!その82
Japan In-depth / 2019年12月22日 23時26分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・東京都が新たに発行するポイント「東京ユアコイン」
・SDGs実現に貢献した人にポイントを付与する社会貢献型事業。
・実証実験の対象地域が一部に限定されている事などに疑問。
東京エアコイン、でもなく、東京ヨアコイン、でもない。「東京ユアコイン」初めて耳にした方も多いことだろう。地域通貨なのか、仮想通貨なのか、と疑問を持つところであろうが、実際は東京都が発行する新たなポイントである。
このポイントはなかなか良い点が多い。SDGsの実現に貢献した人にポイントを付与するという社会貢献型の事業であることだ。また、社会課題解決につながるだけではなく、キャッシュレス化を推進することで、Society5.0の実現を加速させるともいう。
しかも、モデル事業として実験的に行って成果を検証し、今後の展開を考えようという事業であり、とても素晴らしい事業である。東京都は年末に、凄いものを持ってきた。小池都政の成果であるともいえるだろう。SDGsの理念を体現する具体的な実践をするとは、東京都、特に戦略政策情報推進本部、さすがである!
■ 東京ユアコインとは何か
国連が掲げる「持続可能な開発目標」とキャッシュレス決済の推進を同時に行うこの挑戦的な取り組み、事業と言うより実証実験なのだが、具体的に見てみよう。
◇事業実施場所
①自由が丘をはじめ都内東急電鉄沿線地域等
②大丸有地域(大手町・丸の内・有楽町)
◇ポイント付与対象の活動
・オフピーク通勤
・プラスチックごみ削減
・マイバッグでの購買
◇期間
令和2年1月~2月:モデル事業実施、令和2年3月:効果検証
◇ポイント発行規模
・各2,500万円相当
◇受託者
①東急エージェンシー
②三菱総研
【出典】東京都発表資料、HPより
生活エリア(①)とオフィスエリア(②)の2つのエリアでの実験だそうだ。①のほうは、マイバッグを持参したり、通勤時の混雑時間を避けて通勤したり、地域の商店街で購買したり、自然保護活動に寄付した人に、TOKYU POINT(編集部注:関東を拠点とする東急グループや全国の加盟店で貯めて使えるポイントサービス)を付与するそうだ。
②のほうは、通勤時の混雑時間を避けて通勤したり、マイバッグを持参しらし、リユース可能な容器を使ったお弁当を購入したりしてプラスティックのゴミ削減をした人に、ポイントを付与する。それを受けて、QRコード決済でポイントを消費したり、他のポイントとの交換もできるようになるようだ。
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