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団塊の世代の物語(9)

Japan In-depth / 2024年10月15日 23時0分

「トップだったあなたがそう言うのね」





英子はその場で伸びあがるようにして三津野の唇を自分の唇でおおった。英子の唇から唾液があふれ出して三津野の口に流れこむ。





唇を吸い返して英子の唾液を飲みこむと顔を離し、





「そうだよ。内実をよーく知っているからね、そう思わざるを得ない。今の社長もその前の社長も僕が選んだ。その前の社長、いまは関係会社の会長にしたけれど、いいと思って社長に就けたんだ。だけど違った。」





「え?」





英子の指さきの力がゆるむと、こんどは身体ごと左腕を下へさげる。三津野はおもわず腰を引いた。





「だめ。動いちゃだめ。」





英子が叱責する。三津野は身体を元にもどしてゆったりと英子にゆだねきると話を続けた。三津野のペニスに英子の左の指5本がからんでいる。





「はいはい、どうぞお好きに。





でも、止めろっていわれるまで落語は演じ続けるよ。」





英子が小さな声で笑いながら「そうして」と声帯をつかわないで呼気だけで答えた。耳にはうるさくない。そして左手の5本の指に軽く力が入った。





「ここからは、日本的経営の凄さと崩壊の巻だよ。」





英子が左手の指5本で話をうながした。





「実は、戦後日本の上場会社は単に幹部従業員の協働組合であっただけではないんだ。





すべての従業員、戦前は職工といわれていた不安定な身分の工場労働者も含めて、終身雇用が保証されるようになったんだよ。





さっき言った、あなたも知っているアベグレンのいう日本的経営の「終身雇用・年功序列・企業別組合の三種の神器」さ。つまり、日本的経営ってのは幹部従業員だけじゃなく、すべての従業員から会社への強烈な忠誠心を獲得することができる素晴らしい仕組みだったということなんだな。」





「ふーん」





英子が右の頬を三津野の左の頬に寄せたまま小さな息をもらし、ほんの少し頭をもたげると舌をだして三津野の乳首とそのまわりの胸をなめ始めた。





「くすぐった」





三津野が英子の上半身を持ち上げて止める。そして、そのまま英子の唇からはみ出たままの舌を自分の口で吸う。





「いやだ、くすぐったい」





こんどは英子の番だった。





「さ、もうすこしやらせて」





「はい、もういたずらしません」





英子は三津野の胸のまんなかにこんどは左頬をかさねると、大きく息を吐いた。





「それが日本を敗戦の虚脱から復活させ、やがて高度成長に導いていったっていうわけだ。朝鮮戦争のおかげが大きいね。朝鮮特需という言葉があったくらいだ。朝鮮半島の人々にとっては大変な災難だった。しかし、日本にとっては経済復興の大きなとっかかりであり支えだった。





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